第六話「マイクロマシーン殺人事件」

序章　見えない凶器

ある日、政治家の密談が行われていたホテルで、一人の大富豪が突然倒れた。死因は不明。しかし、遺体には肉眼では確認できない無数の小さな傷が残されていた。

「この事件、妙だな…」

情報を得たイーグルは、すぐに調査を開始する。

「密室での殺害、凶器不明。これはただの暗殺じゃないぞ」

カールは調査を進め、驚くべき結論にたどり着いた。

「おそらく、これは『マイクロマシーン』を使った殺人だ」

第一章　マイクロマシーンの脅威

「マイクロマシーン？」

チェンが眉をひそめる。

「それって、あのナノレベルの機械のことか？」

「そうだ。医療分野では実用化が進んでるが、軍事目的での研究もされている。問題は、この技術が違法な目的に使われた可能性があることだ」

カールは被害者の血液を分析し、小さな金属片が残されていることを発見した。それは、極小のナノロボットが体内で暴れた証拠だった。

「これを作れるのは、相当な技術を持つ組織だけだな」

チェンは推測する。

「となると、犯人は軍事産業か、あるいは闇の科学者か…」

イーグルは冷静に言う。

「よし、まずは被害者の足取りを追うぞ」

第二章　盗まれた技術

被害者の大富豪は、軍事企業の最高責任者だった。彼は最新の防衛技術を開発していたが、最近になって重要なデータが盗まれていたことが判明した。

「つまり、企業スパイか？」

「それだけじゃない」カールが調査結果を示す。「この男、実は裏で違法な取引をしていたんだ。軍事技術を密かに他国に売っていたらしい」

「なら、その取引相手が犯人か…」

しかし、調査を進めるうちに、さらに驚くべき事実が明らかになった。

「彼が最後に接触した相手は…科学者の『Dr.シュナイダー』だ」

シュナイダーは、かつて政府の軍事プロジェクトでマイクロマシーンを開発していた天才だった。しかし、倫理的な問題でプロジェクトは中止され、彼は姿を消していた。

「彼が犯人なのか？」

チェンは首を振る。

「まだ断定はできない。だが、彼がこの事件に関与している可能性は高い」

第三章　隠された実験施設

イーグルたちは、シュナイダーの潜伏先を突き止める。そこは廃工場を改造した秘密研究所だった。

「奴はここで何をしてるんだ？」

潜入したイーグルたちは、驚愕の光景を目にする。

「これは…人体実験か？」

そこには、マイクロマシーンによって身体が侵食された人々が眠るカプセルが並んでいた。

「こいつはヤバいな…」カールが呟く。「完全に違法研究だ」

その時、シュナイダーが姿を現した。

「お前たちは何者だ？」

チェンが一歩前に出る。

「Dr.シュナイダー、お前がマイクロマシーンを使って殺人を犯したのか？」

しかし、彼は冷静に答えた。

「私ではない。私はマイクロマシーンを医療のために開発していた。しかし、ある組織がそれを軍事目的に転用し、私の研究を奪ったのだ」

「ある組織？」

「『ブラックファング』…」

その名に、イーグルが反応する。

「聞いたことがある。国際的な武器密売組織だな」

シュナイダーは続ける。

「彼らは私の技術を使い、完璧な暗殺兵器を作り上げた。私もそれを止めようとしたが、力及ばず…」

「なら、お前は無関係なのか？」

シュナイダーは悲しげに笑った。

「無関係ではない。私は…彼らに協力するフリをして、データを破壊しようとしていた。だが、ブラックファングはそれを察知し、私を消そうとしている」

その瞬間、研究所の警報が鳴り響いた。

「来たか…」

ブラックファングの武装部隊が突入してきたのだ。

終章　正義の裁き

イーグルたちは激しい戦闘を繰り広げる。

「こいつら、装備がやたらといいな！」

「油断するな！こっちもやるしかねぇ！」

チェンは頭脳を駆使して、施設の防御システムを利用し、敵を迎え撃つ。カールはマイクロマシーンの制御プログラムを書き換え、敵の装備を逆に無力化する。

そして、最後にシュナイダーがブラックファングのリーダーを追い詰めた。

「お前たちの時代は終わりだ！」

シュナイダーは、自らが開発したマイクロマシーンを起動させ、ブラックファングの武器システムを完全に停止させた。

戦いが終わり、シュナイダーは静かに言った。

「私は罪を犯した。しかし、それを償うために、私は研究を破棄する」

イーグルは頷く。

「それが正しい選択だな」

こうして、マイクロマシーン殺人事件は幕を閉じた。