第3話

いつもそうである。


中学時代の鈴木くんも、高校時代の大野くんも、大学時代の北見先輩も…私が好きになった人は、全て同じ理由で私を振った。


――君は悪い子じゃないんだけどね


悪い子じゃないけどって、何!?


じゃあ、つきあってくれたっていいじゃないのよ!?


いきなり彼女は無理だと言うのは私もわかっているよ!?


だけど友達からでもダメって言うのは、理由がひどいにも程があるでしょー!?


「私が一体何をしたって言うのよー!?」


「莉亜、落ち着いて…。


すみません、酔っ払ってるだけなので」


「何で友達からでもダメなのよー!?」


「この人、酔うと泣き上戸になっちゃうんです」


「“悪い子じゃないけど”って言う理由が全然わかんないんだけどー!?」


「すみません、この人を連れて帰りますから。


お代は結構です」


グイッと猫みたいに首根っこをつかまれたかと思ったら、立ちあがらされた。

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