じれったい

名古屋ゆりあ

1・女としては何もないのですか?

第1話

25歳で恋愛経験が全くないのは、いつも同じ理由で振られるからだ。


「ごめんね」


私が好きだと自分の気持ちを伝えたとたん、目の前の男は申し訳なさそうに言った。


「矢萩さんの気持ちは嬉しいんだけど、その気持ちには答えられないかな」


答えられないって、どうして?


私の気持ちは嬉しいのに、どうして好きって言う気持ちに答えることはできないの?


「同僚だけど、矢萩さんのことをそんなに知らないし…」


「じゃあ、最初は友達からと言うことで…」


そう言った私の言葉をさえぎるように、

「そう言うのはちょっと難しいかな」


彼は言った。


「矢萩さんが悪い子じゃないって言うのは知っているけど、そう言うことになると話は別だな」

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