第一章

恋の終わり

第2話

夕焼け色に染まる、放課後の教室。


人気の無い静かなそこで、あたしは一人席に着く。



窓際の一番後ろの席に腰を下ろしながら、ぼんやりと宙を睨んだ。


見つめていたはずの机が、じんわりと歪んでいく。




それを確認して


自分が泣いているのだと気付いた。



だけど、ここは誰も居ない教室。


それを隠す必要もなくて、次々と零れ落ちる涙を拭うことすらしない。




空っぽの教室は



ひとりぼっちのあたしには、広すぎて



襲われたどうしようもない孤独感に、更に涙を流したんだ。




―――……

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