ピン芸人の戯言のようなもの
@sakakihara
第1話 じぶんとは
親に止められた。せめて大学は出て欲しい。
それはそうだなと感じ文句は言われなさそうな、ある程度名の通った芸術大学に進んだ。
芸術大学では演技の勉強をした。
芸人がテレビドラマに出ることもあるだろうし、舞台に出るんだから発声法は身につけておいた方がいい。至極真っ当な理由で。
後に女優として様々なドラマに出る人も一緒だった。
連絡先交換しておけばよかったな、なんて。
芸人やってると共演機会がなかなか無い。
バラエティ番組に出演する機会があまりないから仕方がない。どうやったら有名になれるのだろう。ぐるぐると巡る思考を正し、話に戻ろう。
大学2年の時、養成所へ入り授業を受ける中でコンビを組んだ。結果は散々。半分くらいはコンビを組む相手を見つけてから入学してくるらしい。そういうもんだったのか。少ししくじった。良いなと思って声を掛けても既にコンビもしくはトリオを組んでる人が多い。たまにいるのはピンで決めているという戦意の高い人。1人は怖い。
運良く卒業前に1期先輩の人から声を掛けてもらった。最近コンビを解散したらしい。この誘いに乗ってみることにした。上手くいくかは分からないけど一度の人生だし失敗してもいいんじゃないだろうか。やるだけやってみよう。
1年、2年と続けていくうちにある程度限界が見えてきた。喧嘩は無い、意見の食い違いも無い。だからこそ少しまずい気がする。お互いにこれくらいでいいのかもという妥協が出てきてしまったのかもしれない。このまま続けて良いのだろうか。
ネタ合わせ。という名の食事会。お互いの口から解散の一言が出た。ネタを書いてたのは先輩。その先輩から楽しくなくなってしまったと言わせてしまった。苦しい。だけど少し安心した。先輩も同じ気持ちだったことが。
解散報告
我々、サイレンスは2月末をもちまして解散することとなりました。最後の舞台は2/27に行われる単独公演になります。解散の原因としましては直近に行われたネタ合わせの際にお互いの口から解散の言葉が出たからです。植木、佐藤共に2人での活動に区切りをつけることを選びました。今後はお互いピン芸人として活動し、今後を模索していく予定です。事務所も辞めるつもりはありません。今後我々は別の道に進みますが変わらぬ応援を頂けますと幸いです。
最後に単独公演余ってます。解散発表見たから行ってやるか位の気持ちで構いません。最後の我々の漫才是非見ていただけますと大変嬉しいです。というか来い。頼むから来てくれ。
サイレンス
俺のコンビ活動はここで終わりを告げた。
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