街で宗教勧誘のため可愛い女の子に声を掛けたら神様だったので断られた件
ぎゃん
第1話
俺は神様なんて信じてないけど、自分の住んでる街に神様が現れたって話を聞いて全く興味が沸かない程に無関心というわけでもなかった。それも女の神様ってなら尚更だ。
それは高2の夏のある日のことだった。昼休み、購買で買った焼きそばパンを食べ終え、男友達と駄弁りながらスマホを弄っていると瑞生が、
「おい、この動画知っとる?」
と自分のスマホの画面を見せながら言ってきた。
その画面には『街で宗教勧誘のため可愛い女の子に声を掛けたら神様だったので断られた件』とある。
「なんだこれ?」
俺は思わず呟いた。
瑞生の話では、この動画は昨日の夜にアップされたもので、撮影された場所は背景に映っている街並みから俺たちの住む街、月南と特定され、その内容もあってか学校内ではちょっとした盛り上がりを見せてるらしい。
正直、バカバカしくてくだらねえ〜って思ったけど、その場の流れで一応俺もその動画を見ることになった。
瑞生が再生のマークをタップすると、何の説明もなく、街頭に立つ一人の黒いスーツを着た端正な顔立ちの男が目の前を歩いている一人の女に声を掛ける映像が流れ始めた。
「アナタ、チョットイイデスカ?アナタワ、カミヲシンジマスカ?」
「あー?」
いきなり声を掛けられた女は男の方を向いて立ち止まった。が、男がなんと言ったのかが聞き取れなかったようだ。
「アナタワ、カミヲシンジマスカ?」
「ああ。信じるよ。」
「オオ、ソレハスバラシイデスネ!」
「んっ、そうか?」
「ハイ、スバラシイデス。デキレバワタシノキョウカイニイノリニキマセンカ?」
「断る。そんな暇はない。だいたい、神ってのはたぶんお前が思っているようなのじゃないぞ」
「オー、アナタオモシロイヒト。ドウシテソウオモワレルノデスカ?」
「思うんじゃない。知ってるんだ。私は神だからな。」
はっきりと聞こえたその女の声に動画内の男だけではなく、俺たちも思わずハッとなった。
「アナタカミサマナノデスカ?ソレワコマリマシタネ。トコロデ、イマコマリゴトヤナヤミゴトハナイデスカ?」
「ある。ここに行きたいんだが、スマホの充電が切れてナビが見れなくなった。案内してくれ。」
そう言うと、女は斜めがけの赤いバッグから1枚の紙を取り出して、それを男に見せた。
「オー、ガッコウネ。ワタシシッテル。コノミチヲムコウニマッスグアルイテ、サイショノカドヲミギネ。スグ、シロイオオキナタテモノトスイミングプールミエル。ソレ、アナタノサガシテルガッコウネ」
「おー、さんきゅー、さんきゅー。じゃあな。暑いから体に気をつけろよ。」
「アリガトウゴザイマス。アナタニカミノゴカゴヲ」
男の説明に従って歩き出す女の後ろ姿を映しながら、その動画は終了画面に切り替わった。
「なんだこれ?」
俺はその動画のタイトルを見たときと同じ言葉をまた呟いた。
「ヤバいなあいつ。」
「でも、けっこう可愛くなかった?しかもさあ、あの娘が探してた学校って、あれうちでしょ。」
「だな。」
「うちの学校に転入するのかも。ドキドキするなあ、神様と同じ学校なんて。」
「かわいいなお前。」
「いや、普通に怖いだろ。あんなのいたら。」
「だいたい、その動画なんなん?バンバン顔見せしてるしさ、なんか怪しいよな。」
ジリジリジリジリジリジリジリジリ〜
俺たちが動画についてああでもないこうでもないとしゃべっていると昼休みの終わりを告げる始業ベルが教室に鳴り響いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます