幻獣のいる世界⑧クラーケンを焼いて食べたい冒険者たち
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 「腹減った~」そういう冒険者パーティが、新しい伝説をつくるのかもしれない!無事に、帰ってきてください。
「世界を救ったり悪いモンスターをたおしたりするわけじゃないかもしれないパーティ」のストーリー。
くじ引きでクエスト(冒険)を決める世界から、こんにちは。
「やった!タコ焼きクエストが、当たったぞ!」
腹が減って苦しいと言っていたふんわかパーティの皆が、はしゃぐ。
「食うぞ!」
「食うぞ!」
「腹一杯の、タコ焼き!」
良かったな。
「ガラガラくじ神殿」のお告げで、決まったこと。
が、クエストの細かい内容はわからない。
「いいね」
「いいね」
「最近、タコ焼きの値段が上がって、困っていたところだからな~」
「体力をつけたい」
「魔法力もな」
「最高のリア充クエスト!」
まだ、はしゃいでいる。
「くじ引きで、命をかけたクエストの内容が決まる」
怖い世界だな~。
フツー、人は、クジを引いた結果に納得できないことが多いもの。
やりたくないことを、しぶしぶ決めるやり方だからね。
いやでも納得させる、静かな暴力。
「ちぇっ…。クジで決まったんだから、仕方がないか」
強い冒険者たちなら、そう思い、くじ引きで命をかける冒険にいこうと決心ができるんだろうけれど。
「悩むな!いこうぜ!冒険の世界は、危険ばかりでイレギュラー続き。大切なのは運!」
心が強いんだ。
弱いパーティとは、ちがってね。
「タコ焼きを腹一杯食べて、萌えっ!」
「あれ?イカじゃなかった?」
「タコで、良いんだよ」
そんな彼らに、神殿からクエストの真実が告げられた。
「海の巨大怪物クラーケンを、倒してきてほしいのです」
聞かされ、皆の顔が真っ青になる。
「このクエストで、タコ焼きがいやなほど食える平和な海を取りもどしてください。お腹、減っているでしょう?ハイ、いってらっしゃい」
うっそ…。
「クラーケン?」
「それ、イカじゃなかった?」
「タコで、良いんだよ」
「深海に住む怪物だよな?」
「タコ焼き?」
「イカ焼き?」
「どうやって、倒すの?」
伝説では、クラーケンの身体は 2キロメートルくらいあるとも。
「勝てる?」
「腹一杯のタコ焼き…食べてみたい」
「イカ焼きだろ」
「いこう!」
空腹には勝てぬ、ゆるパーティ。
その後、彼らの姿を見た者はいないという。
タコ焼きの値段は、まだ高いまま。
あのさ。
他の物を、食べませんか?
幻獣のいる世界⑧クラーケンを焼いて食べたい冒険者たち 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます