第2話

セックスが嫌になったのは妊娠後期くらい。


 今、しなきゃいけない? 


 早く終わって。


 お腹の子に害がないように。



 麗奈が産まれたあとは、まだ無理だからと言えばよかった。


 一ヶ月、二ヶ月が過ぎる頃は、麗奈が起きるから、と逃げた。


 麗奈の百日が過ぎた頃、賢人が求めてこなくなった。



 麗奈を寝かし、賢人がシャワーを浴びている間に賢人のスマホを開く。


 インスタ、ラインにおかしなところはなく、最後にメールを見たら、青年会というボックスが一番上にあった。


 何の迷いもなく、ボックスを開く。


 同じ女の名前が並んでいる。


 知っている子。


 賢人のエイサー仲間で20代前半、私より十歳以上も下。


 結婚して、こどももいたはず。


 だんなからのDVの相談にのっていると、前に賢人が言っていた。


 一日に数十件のメールのやりとり。


 「寂しい夜」

 「最高だったね」

 「いいのかな?」


 こんな題名をつけたら、簡単に浮気だとばれるのに。

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