骨の牢獄

コラム

***

異世界の荒れ果てた大地に、かつては栄華を誇った王国があった。


今やその王国は廃墟と化し、骨の山が広がるのみ。そこに一人の中年の男――カイルが囚われていた。


彼はかつて名高い盗賊であり、数々の罪を犯してきたが、今はその罪の報いを受ける時が来た。


カイルは、骨で作られた牢獄に閉じ込められていた。


壁も床も天井も、すべてが白く輝く骨でできている。


彼はその中で、過去の罪を悔いながらも、逃げ出す方法を模索していた。


だが、骨の牢獄は魔法によって強化されており、どんなに力を尽くしても脱出は不可能だった。


ある日、カイルの前に現れたのは、巨大な骨の守護者だった。


守護者は無言でカイルを見下ろし、その目には冷たい光が宿っていた。


カイルは恐怖に震えながらも、守護者に話しかけた。


「俺をここから出してくれ。もう二度と罪を犯さないと誓う」


だが、守護者は何も答えず、ただ冷たく見つめるだけだった。


――カイルはある夜、夢の中で不思議な声を聞いた。


「お前が本当に悔い改めるなら、骨の試練を受けるがよい」


目が覚めると、カイルの前には一本の骨の剣が置かれていた。


彼はその剣を手に取り、試練の場へと向かった。


試練の場では、過去に彼が殺した者たちの亡霊が待ち受けていた。


彼らはカイルに襲いかかり、彼は必死に戦った。


試練を乗り越えたカイルは、ついに骨の牢獄から解放された。


だが、彼が見たのは、かつての王国の廃墟と、無数の骨の山だった。


彼はその光景に愕然とし、自分の罪の重さを改めて実感した。


「これが俺の報いか……」


カイルは涙を流しながら、骨の山の中に消えていった。


彼の姿は二度と見られることはなかった。


だが、その魂は永遠に骨の山に囚われ続けることとなった。


カイルの罪と悔いは、骨の山と共に語り継がれることだろう。


〈了〉

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