第14話

「音ちゃん‼」


 扉が閉まりきり、電車が発車する。


 間に合わなかったけど、わたしの声は音ちゃんに届いていた。


 今にも泣きだしそうな顔をしていた音ちゃん。


 なんで音ちゃんがそんな顔をするのか分からない。なんであんな傷ついた顔をするんだろう。


 胸が締め付けられる。それでもまだわたしは諦めない。


 急いで音ちゃんを追いかけないといけない。次に来る電車に乗って音ちゃんを追いかける。


 ちゃんと話さないと、そしてちゃんと気持ちを伝えないと。


 全て伝えるまで終わりじゃない。もし追いつけなくても家まで行ってやる。

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