第273話 神さまとのお話
もふもふ教の御祭神の一柱にしちゃって大丈夫か? 眷属がもふもふなウサギだからオッケー? それとも、新しく宗教を作るべき?
──って、それは今考えるべきことじゃないな。
『そう言ってもらえて安心しました。えっと、あなたが
思考を軌道修正して、一応確認しておく。
〈
『あ、やっぱり
深く頭を下げてお礼を告げた。
加護がどう作用したかはわからないけど、今のところもふもふに囲まれて幸せいっぱいだし、異世界に渡る原因になった邪神にも仕返しできたし、いいことばかりだからな。
〈ふふふ……もふもふは素晴らしいですものね。そなたが幸せなら、それでよいのです〉
微笑ましげな声が聞こえたかと思うと、羽衣の先が白ウサギを優しく撫でるのが見えた。
これは、間違いなく──同志!
もふもふは種族を越えて絆を育む素晴らしい存在だな!
勝手に親近感を覚えて微笑んでいると、
そうだった。
俺は
『えっと、偽神──じゃなくて光神……なんちゃら、みたいな神、知ってます?』
ちゃんと話そうと思ったけど、情報が曖昧すぎてちょっと申し訳なくなった。
偽神の名前、覚える努力すらしてなかったんだ……ごめん、
〈そなたが行った異世界の管理者、光神ラヒティエリアルスのことですか?〉
『そうです! そんな感じの名前のヤツ!』
思わずビシッと指してしまった手を慌てて下ろしながら話を続ける。
『──そのなんちゃらっていう光神に、日本から連れ去られた魂が異世界で勇者として存在していることは知ってます?』
〈……連れ去られた?〉
おっと、
これはもしかして、偽神は許可なく異世界に魂を連れ去ってたのか?
『そうですそうです。俺の親友なんですけど、ゲームをやってたら、そのアバターのまま異世界に勇者として召喚されたって。転生なのか転移なのかは、よくわかんないんですけど。そういう存在はこれまでにもたくさんいたらしくて……あ、タイシっていうヤツも、だいぶ前に連れてこられた勇者です』
斯々然々と説明する。
その間、
『親友のこと、俺は日本で生きていた時に忘れちゃってたんですよ。魂が世界を渡った影響なんですかね?』
ついでに気になっていたことを聞いてみると、ようやく
〈そうですね。それはおそらく魂を無理に転移させた弊害でしょう。世界は歪みが生じないように、常に修正を行っていますから〉
『なるほど?』
どこかの神がわざと記憶を封じたというより、世界(神とは違う概念?)が修正した結果だったらしい。
まあ、その大本の原因が偽神であることは変わりないけど。
俺自身が地球という世界から離れ、歩夢のことを再度認識したから、記憶がよみがえったんだろうな。
〈それにしても、この世界の者を勝手に連れ去っていたとは知りませんでした……〉
申し訳なさと怒りが滲む声だった。
これは本当のことを言ってるっぽいな。
やはりもふもふ愛の同志に敵はいない!
『えっと……歩夢たちがまた日本に帰ることってできます?』
〈可能でしょう。連れ去られたその時点に魂を送り返すだけです。その魂の生命力が尽きていなければ、問題ありません〉
わりと簡単にできそうな雰囲気。神ってスゲェ。
つまり、
『ちなみに、俺は?』
〈……そなたは、すでにこちらの世界での命が尽きているので無理です。どうしても異世界が嫌だと言うのなら、こちらの世界で転生し直すことは可能ですが。その場合、記憶の保持は不可能です〉
なるほど。
歩夢たちは魂のみの転移だから戻ることは可能だけど、俺はすでに命を落として転生しているから無理、と。
まあ、納得だな。戻れるなんて思ってなかったし。
『わかりました。さっきも言いましたが、俺はこっちでもふもふに囲まれて幸せなので、転生のし直しはいらないです』
〈そうですか。では、そなたの友らの魂だけ、元の場所に戻して差し上げましょう〉
『あ、いえ。ちょっと待ってください。それは俺が勝手に聞いただけなので、本人たちの意思を確認してからでいいですか?』
すぐさま行動を始めようとする気配を感じて、俺は慌てて止めた。
偽神や邪神より圧倒的に親切だけど、ちょっぴりせっかちさんだな。
〈いいでしょう。それでは、そなたの魂にわたくしの眷属をつけて送り返します。そなたの友らが望めば、わたくしの代わりに眷属が願いを叶えるでしょう〉
『ありがとうございます!』
俺の足元で、白ウサギが〈僕に任せてよ!〉と胸を張った。
めちゃくちゃ可愛い!
新たなもふもふ(
リルたち、歓迎してくれるかな?
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