カレーねえちゃん
クランドール
そこには密かに噂になっている
なんでも、そこにはどんなトラブルでも
―――セポールのメインストリート、ミュゼッテ
「えっと……ミュゼッテ通りの入口からセポール駅のほうへ歩いて、4つ目の
まだ
「あったわ。怪しげなランタンのさがった
その店の
「はいは〜い。みんなゴリゴリ君はずれね〜。また
子どもたちは
自分もこっそりアイスバーを食べていた店主は残った
「あ〜!! 当たったっちゃった!! らっき〜!!」
なんでも解決する
彼女は全体的に
そもそもあんなに若い
彼女の
ウェーブがかったクセっ毛が
これがゆるふわ感に
くりっとしたまんまるの
そして
セポールはほどほどに大きな街だが、彼女は良くも悪くも
背丈はちいさく、まるで小動物のような
とても
パッと見る限りでは10代前半に見える。
果たしてこの歳で仕事が
「こんにちは!! シエリアの店へようこそ!! 何か
「あっ、あの、その……トラブルナントカさんかかねェ?」
そう尋ねると少しだけシエリアの顔が引き
そして
「あたしゃトリー・トリー。
トリーは小さなカレーの
「失礼……ちょっと見せてくださいね」
それは片手に収まるサイズだった。
シエリアはその缶を眺めると、
ペラペラとすごい勢いでめくると、すぐに目的のページに
「
それを聞いてトリーはしょぼくれた。
「そうかい。それじゃ仕方ないねぇ。トラブル・ブレイカーさんでも出来ないこともあるねェ」
決して
またもやシエリアはカタログをめくりだした。
「とろとろハーブに、
後半になるにつれ、ゲテモノだらけになっていく。
美味とされるカレーはこんなもので構成されていたのか。
「これならすべての材料を用意できますよ。特注しても素材はうちの店で売れるので、ちょっとお高いくらいでお売り出来ますよ」
それを聞いたトリーは笑みを浮かべた。
「本当かい? そりゃ
シエリアはニコニコしながら答えた。
「アッ、ハイ」
「うわあああぁぁぁ〜〜!! またやっちゃったよぉ!!
こんな時、彼女は高級アイスのブランド″エリキシーゼ″を食べて一息つくのだ。
「パクっ!! ふ〜。おいひ〜〜〜」
その時、少女に衝撃が走った。
「こっ……これ、カレーのフレーバーだ!! 限定で売ってた
どうやってカレーをアイスに落とし込んだのかはサッパリわからなかったが。
ともかく、これを味見しながら素材を調合すれば
シエリアは調合だけでなく、料理にも明るかったので微妙な味や
「うーん、甘みが強すぎる。入れる順番が違うなぁ」
「えっと、リザードマンの目玉は
「成分表のポトポト汁? そんな素材ないよ。なんだろコレ……」
「うわぁ!!
トラブル・ブレイカーは
そして、約束の朝が来た。
依頼人は少し不安そうな表情だったが、カレー粉を受け取ると帰っていった。
あとは上手くいっていることを
「にしても気持ち悪いモノばっかだったなぁ……」
店のバックヤードに移動している時、少女は
「あっ!!」
すると、彼女は転びながらカレー粉を頭からかぶってしまった。
「うわっ!! ぶふぅッ!!」
ピンク
すぐに少女は風呂に入って体中を
だが、それは大いなる
昼になって店を開くと、いつもどおりに子どもたちが
「う〜っす!! シエリアねえちゃ……うわっくっせえぇ!!」
わんぱく少年は鼻をつまんだ。
「ねえちゃんカレーくさいよぉ。いっぱいカレー食べたの?」
「え゛!?」
シエリアは自分の
彼女はカレー
お客さんたちは思わず笑いだした。
結局、トリーは華麗なカレーに満足したようで依頼は大成功した。
そしてシエリアは
これだからこの仕事はやめられない。
しかし、カレー
その間だけシエリアのあだ名は″カレーねえちゃん″になってしまうのだった。
おばあさんとお孫さんに無事にカレー粉を届けられてよかったと思います。
でもまさか、鼻が
それはそうと、″カレーねえちゃん″ってなんか
口からカレーを吐いたりするんですかね?……というお話でした。
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