第6話 正対する理論
ただ、今の世の中にあっても、普通に考えて、
「矛盾している」
と思うことがまかり通っているというのが、当たり前のように、横行しているといってもいいだろう。
世の中において、
「自由と平等」
という言葉があるが、それは本当に、
「並び立つもの」
と言ってもいいのだろうか。
「自由を生かすと、平等ではなくなる」
であったり、
「平等というものを考えると、自由ではなくなる」
という考えである。
それが、
「民主主義と社会主義」
というものの対立だといってもいいだろう。
そもそも、
「民主主義」
あるいは、
「自由主義」
というものは、
「自由であるがゆえに、平等ではなくなった」
という矛盾を解決するということで考えられたのが、
「社会主義」
であったり、
「共産主義」
というものである。
この考え方は、そのまま額面通りにっ考えると、
「これこそが、理想の社会である」
ということで、実際に、
「理想の社会」
と考えた人も多かった。
これは、
「自由競争の社会」
であれば、
「力が強いものが共謀して、力の弱いものを迫害し、差別が生まれる」
ということであった、
「自由競争」
という名目なのだから、それを取り締まることは困難である。
しかし、実際に、貧富の差であったり、世の中がうまく回らなかったりして
「金権政治」
というような、
「金のある者が、勝手に自分たちの暴利をむさぼることしか考えないようになり、結局は、国民を無視した政治を行う」
ということになるのだ。
これは会社にも言えることで、
「一部の大企業であったり、特権のある企業だけが得をする」
という世の中になるということだ。
それを解消するために、社会主義」
というものが考えられた。
そもそも、自由主義ということなので、現場のことに、
「政府は口出しをしない」
ということになり、
「政府の力は及ばない」
という社会になる。
そこで考えられた社会主義というのは、
「まったく逆の考え方」
ということで、
「政府が、すべてを決める」
という社会である。
「民主主義においての、会社というものを、社会主義の世界では、国営化」
ということになり、
「政府が一手に経済も握る」
ということになるのだ。
だから、国民全員が、
「公務員」
ということになり、
「給料も、仕事の内容に関係なく、完全な年功序列で、終身雇用」
ということになっているのかも知れない。
ただ、こうなると、
「新しい発想が生まれてこない」
ということと、
「仕事を生きがいにはできない」
ということであり、
「仕事をしようがしまいが、階級で決まった給料にしかならない」
ということである。
「安定はあるが、それ以上はない」
ということで、
「やる気」
というものが存在しない世界ということになる。
ということになると、政府が、
「どうしても開発したいことであっても、
「社員にやる気が出ない」
ということであれば、
「無理矢理にでもやらせる」
ということになる。
これが、社会主義においての、
「恐怖政治」
ということであり、今度はそうなると、政府は、国民から不満を買ってしまうということになり、
「いつ殺されるか分からない」
という恐怖から、
「粛清を行う」
というのが、実は社会主義の正体だということである、
つまり、
「恐怖は恐怖しか生まない」
と言ってもいいだろう。
だから、
「民主主義からすれば、社会主義の台頭を必要以上に警戒していた」
というわけである
それが、戦後における、
「東西冷戦」
というものであり、それが形になったのが、
「朝鮮戦争」
というものであり、
「ベトナム戦争」
だったのだ。
しかし、
「世界の二大超大国」
と当時言われていた、ソ連が崩壊したことで、
「東西冷戦」
というものがなくなった。
「これで、世界は平和になる」
ということかというと、ところがどっこい、
「そういうわけにはいかない」
ということであった。
社会主義国のほとんどは、体制を変えることを余儀なくされた。
しかし、そんな中で、世界の超大国ということで残った自由主義の某国に対して、
「ゲリラ戦」
というものを挑んでいる勢力があった。
彼らは、そもそも、
「社会主義国の戦士」
のやり方である
「パルチザン」
という組織がその根底にあるのかも知れない。
そもそも、
「パルチザンという組織」
というのも、
「欧米列強からの、独立を目指した組織だ」
ということになるのだ。
それを、
「社会主義」
ということで、十把一からげということにしたわけではないだろうが、
「社会における辻褄」
というものがどういうことなのかを考えると、今の時代に、
「戦争を起こしている地域」
というのは、
「遅かれ早かれ、いずれはぶつかるところ」
ということで、問題視されていたところではないだろうか?
自由主義の某国などは、以前から、
「世界の警察」
というものを自負してきたが、実際に、権力を持つまでには、
「かなりの裏工作」
であったり、
「金にものを言わせた」
というやり方で、世界の派遣を握ってきたということであろう。
「勝者がいれば、必ず敗者」
というものはいるというもので、
「自由主義の某国の犠牲になった国が、必ず存在する」
ということで、彼らは、
「国としての力がないのであれば、それぞれの組織や団体が、それぞれでゲリラ戦を繰り返す」
ということになるだろう。
それが、
「国家というものを持たなかったりした時代を経験している国のやり方だ」
ということになるのではないだろうか。
それを考えると、
「自由主義と社会主義」
というまったく正対したものというものが、ある意味、
「均衡を保っていた」
ともいえるだろう。
そういう意味では、
「それまでの、国家対国家という構図が、新たな局面を迎え、新しい戦争というものを作る結果になってきた」
ということであろう。
超大国である、、某社会主義国が崩壊したといっても、
別の国が、今や、その国に変わっての、
「某超大国」
ということになり、
「世界の脅威」
ということになった。
「 以前の、某超大国とおいうのは、
「社会主義の走り」
と言ってもよく、その考え方が、まだまだ、
「発展途上だった」
ということであるが、今の、某超大国というのは。
「最初から社会主義の国」
ということで、ある意味、
「筋金が入っている」
と言ってもいいだろう。
それが、
「どういうことを意味するのか?」
ということは、曖昧ではあるが、一つ言えることは、
「生粋の社会主義」
というのは、完全に早退しているということで、もし歩み寄るとすれば、
「利害が絡むことでなければありえない」
といえるのではないだろうか?
それが、国家というものであり、
「超大国であればあるほど、歩み寄りはありえない」
といえる。
どんどん広がっていれば、丸い地球なのだから、その接点は必ずある」
といえるだろうが、この二つは、
「決して交わることのない、平行線ではない線だ」
ということになるだろう。
男女交際というのも、同じような、
「決して交わることのない平行線」
というものではないだろうか?
下手をすると、
「世界線が違う」
というものなのかも知れない。
そもそも、生まれた環境も違えば、血も繋がっているわけでもない。
「昔からの幼馴染」
ということでもなければ、
「育った環境」
というものに対して分かるというものでもない。
それを考えると、
「うまくいくわけがないという方の確率の方がかなり高い」
と言ってもいいだろう。
「育った環境も分からない。最近知り合った相手に好意を持った」
というだけのことで、
「それは一過性のものかも知れない」
ということで、たまに親が、
「結婚はまだ早い」
と言って、かたくなに反対する人がいるが、それも、無理のないことかも知れない。
しかし、反対された方とすれば、納得がいかない。
「自分にだって、同じような時期があったはずだ」
と親に対して感じるということと、
「そんな時期を同じように過ごしているはずなのに、それでも、考えが違う」
というのは、
「時代が違う」
ということでそれこそ、
「育ってきた環境の違い」
ということになるだろう。
しかし、親としても、
「自分が歩んできた道」
というものを考えると、
「飽きる」
という感覚であったり。
「どこかで必ず我に返る時期があり、それが、自分を、後悔の念に誘ってしまうのではないか?」
ということになるということを、
「経験から感じる」
ということになる。
そう思うと、
「子供には同じ思いをさせたくない」
ということで、その意見を自分では、
「言い聞かせている」
というつもりでいるかも知れないが、実際には、
「自分の考えを押し付けている」
ということにしかならないということであろう。
それを考えると、
「親というものが、いかに子供に与える影響。さらには逆に、子供というものが、親に与える影響というものが大きい」
ということであろうか?
これは、夫婦間と違い、親子として、
「血がつながっている」
ということで、
「余計に切っても切り離せない関係だ」
といえるだろう。
しかし実際には、そういう関係であるからこそ、
「結界」
というものが存在するような気がする。
つまり、
「結界があることで、お互いに相手の気持ちを思い図ろう」
と考えるからsではないか?
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