第7話 マジュロ沖海戦①

しかし、この攻撃を敵が黙っているはずがない。もう一隻この海域に配備されていた波二百号潜水艦が敵駆逐艦の爆雷により轟沈。また、空母レキシントンから発艦された攻撃隊により軽巡『淀』が沈没した。それと交差するように航空隊により敵重巡『シャーロット』が轟沈。

敵航空隊は大型艦を攻撃するのが不可能と判断したのか護衛の駆逐隊に攻撃を集中させた。この敵航空隊の攻撃により計25隻航行していた駆逐艦の内、12隻が撃沈された。その中には吹雪型駆逐艦 敷浪や、つい先日に竣工したばかりの新鋭艦台風型の竜巻も含まれていた。

「駆逐艦 泉が沈没!」 「駆逐艦 竜巻沈没!」 「重駆逐艦 松島沈没!」

伝声管から次々と報告が聞こえる。

「司令、これで我らの駆逐艦の被害は12隻になりました」

源田が耳元で報告する。私は判断を下すことしかできなかった。

「味方乗組員の救助を優先。航空隊の出撃準備完了次第第二次攻撃隊発艦始め。これより、航空戦の指揮を執る!!」その指示から第二次攻撃隊発艦まであまり時間はかからなかった。

それに、第二次攻撃隊は第一次攻撃隊より規模が違った桁が一つ違うのだ。第一次攻撃隊の参加機数が80機に対して第二次攻撃隊の参加機数は162機。阿部は本気で敵艦隊を撃滅する気なのだ。 これは乗組員全てが感じていただろう。

1942年6月1日15:32 米海軍第四任務部隊以下第十二航空戦隊旗艦 航空母艦『レキシントン』

「ジャップは今頃さぞかしおどろしているだろうな駆逐とはいえこんな短時間に12隻も駆逐艦が撃沈されたんだからな」

「だろうな」

レキシントン 艦橋

ブーブー

サイレンが鳴る。

「艦長、対空レーダー反応アリです!!」

「何⁉」

「艦隊輪形陣に移行!対空戦闘用意。直掩機発艦始め!」

第四任務部隊司令 ハイマン・ミニッツ(以降ミニッツ)はすぐさま命令を下す。しかし時すでに遅し。162機の航空隊が直上に到達したのだ。

「目標前方敵空母!艦爆隊攻撃始め!」

狙われたのはレキシントンの後継艦のジュニラル・R・フォードだった。彗星は第一次攻撃隊ですべて発艦していたため九九艦爆20機による攻撃だった。最初に急降下した五機から投弾された五発の内至近弾は2、命中は1であった。残りの十五機から投弾された十五発の内、四発は飛行甲板二発が甲板に命中。それが格納庫に誘爆し、ジュニラル・R・フォードはあっという間に沈没した。

他にも九七艦攻による雷撃で軽巡4、駆逐十三、輸送船団六を撃沈。米海軍は、第四任務部隊に所属する空母三隻の内一隻が沈没。二隻が大破することとなった。これにより、大平洋の稼働空母は二隻となった・(エンタープライズは修理中)

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