洋館
道路沿いの木々の色がなぜか色褪せて見えた。
目に見えるものが今の気分でセピア色・・・・
でもこまったナー・・・・・・
無くした言い訳を考えないと・・・・・(-_-;)?
逃げても話にならないし。
別に盗んだわけじゃなし・・・だけど・・・訴えられるか(-_-;)?
何気にあの日の光景が・・・・
意味深な瞳・・・・・。
漆黒の長い髪・・・・。
褐色のraincoat・・・。
「美味しいコーヒーだった・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・○・・あ・?・・た・???・・」
焦慮・・・・不安が何故か消えていく・・・繰り返すワード・・・・
何だか惹かれる優しい声・・・・・
そして・・・・陶酔感に浸った自分・・・・
とにかく嘘はだめだな嘘は・・・
このさい覚悟決めようか・・・うん・・・^_^;
なんだか考え決めたらなんかすっきりしてきたような・・・
マジェスティのガソリンはまだまだありそう。
午前中には着くでしょう・・・・?
無意識スロットルひねり緑の峠の奥へ奥へ入り込んでいった。
道には迷いそうにないけれど・・何度か転倒するんじゃないかと思った・・・・。
本線から田舎道へと入り、それから又林道へ・・・・
都心からモウカナリの距離走ってきてる・・・
・・・・「あぶね・・・(;・∀・)!!」・・・・
小動物が森の中から飛び出してバイクを止めながら冷汗・・💦
ほとんどリスかイタチだった・・・
「 頼むから熊だけは出てこないで(;・∀・)💦 」
本当に自然が残る超天然な場所。
こんな状況じゃなかったら、今頃お気楽にもバイクを止めて・・・?
ナチュラルウオッチングしてただろうなー。
とても残念だなー・・・・・(-_-;)
お届けついでのドライブを楽しみたかったのに・・・
なんでこうなっちゃったんだろう・・・?
しかも酷すぎるガタガタ道に泥濘・・・
地面に開いた大穴に・・・・台風の風で倒れてままそのままになっている樹木。
実はとってもヒデェ所かも此処・・・
こんなところにほんと家なんてあるの・・・?
今日中にたどり着けるかなと思ってスロットルを緩めたら・・・?
林道の遥か奥のほうにナニか建物の影のようなものが見え始めて・・・
少し緊張感を忘れてしまった・・・
それがいけなかったのかもしれない・・・・・
「・・・・・・!!」
瞬間見落とした大穴にタイヤがまともに落ち込んで派手に転がった。
怪我はしなかったけれど・・・・パンツは泥まみれ・・・・・。
カウルと右ウインカーにヒビ入ったのを見て
完全俺はキレて大声上げた。
( こんな山奥で大声上げても誰も相手はしてくれないが )
森の中に俺の声が吸い込まれてく・・・・・・
そして静寂・・・・
時が止まる森の中・・・・
なんだか・・・・自分ひとりだけの世界って・・・・?
意外と恐い・・・・・(・.・;)なんかこー・・・寂しいというか。
気づいた恐怖にやせ我慢して、懲りずに大声上げながら水溜りから起き上がる・・・
「まだローン3回目なのに・・・・・あーったく!!。」
中古だけど・・ぶつぶつ・・・・・(ーー゛)
泥濘(ぬかるみ)に思いっきり足突っ込み重いスクーターを起こす。
田んぼに入ったみたいに足はヌメヌメのドロドロ。
怪我が無いからまぁ良しにする(^_^)💦
止まったエンジンを再起動・・・・
シート座り直してマタ奥へ奥へとノロノロ進むことにした。
深い緑に切れ目や隙間が見えはじめて・・・
鳥の口数が減りだしたころ・・・
木の陰が薄くなり始めた向こうに大きな家が・・・・?
いやそうジャなくて・・・超(・_・;)!!がつくほどの大きな洋館が現れた。
敷地と家が有る部分だけでも小さなスーパーマーケットほどの大きさ・・・・?
自分の立場が消え入りそうな気分に包まれて何だか恐くなってきた・・・・・・。
かなりヤバイことになってきたかも・・・
「マジで此処に住んでるのかよ?」
砂利を跳ね飛ばす音を立てながらスクーターを停めた。
しばらく大きなお屋敷の様子を眺める。
門の鉄の柵は左右に開いている様子・・・・。
降りるとスクーターを押して歩きながら大きな門の間を通り抜けた。
手入れは行き届いている様子に見える。
雑草ひとつ生えていないし、枯葉ひとつ落ちていなかった。
洋館の印象は全体的に【 黒を基調とした洋館 】
立てられてかなりの年月が過ぎているように見えるけど、屋敷の壁は苔や雨水の染み一つ付いていないように見えるのにも驚く。
玄関前の車回しのところにやってきた。
誰も大きな玄関ドアを開けて出てくる様子は無し。
何だか一人でおどおどしている自分ってまるで泥棒かも。
なんか情けない自分を失笑した後、とりあえずスクーターを停める場所を
探そうとあちこち見回した・・・・・
そして・・・?
「 家の横にしよ・・・・邪魔にならないし ^_^💦 」
再びスクーター押しながら時間をかけて大きなお屋敷の東側へ移動した。
1階の部屋の窓にはすべて鎧戸が降ろされている・・・
家の横に森が・・・・・伸びた枝が恐いくらい不気味・・・・・
・・・・子供の頃絵本で見た恐さかも・・・・?
スタンドをかけてコケないように何度も確認しておく・・・
これ以上倒したくないしね・・・・(-_-;)💦
納得した俺は足音立てて表に戻る・・・
・・・・『 誰・・アナタ・・・? 』・・・・
目の前に居る人の顔を見て・・・
俺は固まってしまった・・・・
腕組みをして怪訝そうな顔をした長身の女性が
コッチ睨みつけている。
黒いパンツに白いブラウスを身に着けた女性・・・・。
あ(;・∀・)?・・この人間違いなく・・・指輪の人だよね・・・(・_・;)?
「あら・・・・?。貴方あのコーヒーショップの店員さんかしら?。」
僕は思わずその場でハイと頷くと左手のヘルメットを後ろ手に持った。
「ごめんなさいね・・・。山奥だからついつい警戒してしまうのよ。」
女性はにっこりと笑うと手を差し出してくる。
「この家の主人よ・・・・。わざわざ山奥に来てくれてありがとう。」
主人の威厳がマッタク無くてなんだか好印象・・・
年の離れたお姉さんみたいなかんじ・・・?
「まあとりあえず家の中へ・・あらあら・・?ドロだらけね・・・転んだの?
お湯を用意してあげるわね・・・」
女性は優雅に笑う・・・すたすたと早足で家の玄関口へと向かっていった。
玄関口で女性は(じゃなくて主人💦)惚けてる俺見て手招きする・・・
「 遠慮せずにいらっしゃいな・・・ 」
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