行方不明中の女性を探す依頼人の証言
えっと、行方不明になった子のことですよね?
はい、幼なじみなんですよ。でも、玄ちゃんは大学院には行かなくて、私はそうしたって感じです。
専攻は考古学です。私が物理学に進んだら、恨まれたんですよ。昔のこともわかんないのに宇宙の場合か!? って。面白いですよね。
ちょっと変わってるんです。考古学を専攻してたのも、オーパーツとかを見つけられるかもしれないからだと思いますし。
小学生のころからポーを読んでましたし、中学では「グリーンインフェルノ」とか「羊たちの沈黙」とかが好きだったくらいで。学校ではかなり浮いてましたね。
私ですか? いやあ、そういうのは。でも、宇宙人とか好きですよ。そう考えると、仲良くなったのも「Xファイル」を見てたからかも。
で、その子、高校でホラー小説にどっぷりはまったみたいで。特に海外がお気に入りなんですよ。もともと好きだったんですけど、前よりものめりこんでいったというか……。
そうなんですよ。「インスマスの影」とか「黄衣の王」とかね。クトゥルフ? ってやつでしたっけ。そういうのも好きだったなあ。
そんな子だったんで、私くらいしか友達もいなくて。顔もスタイルもいいのにホントもったいない。
社会人になることだって、院生で研究を続けることだってできたのに、大学を卒業してからは、自分の好きな本を探すっていってバックパッカーになっちゃった。
そこからはたびたび連絡が来るくらいで……。いやホントいろんなところからメールしてくるんですよ。アメリカ、イギリス、エジプト、ネパールの山の上だったこともありました。
玄ちゃんが何をしてたかですか? 好きな本を探すためって言ってましたけど、ホントのところはどうなんでしょうね。旅したかっただけなのかも。
旅は2年くらいしたみたいですよ。それでも探してた本はなかったみたいです。
そのあとすぐオカルト系の出版社に拾われたって言ってた気がします。オカルトの知識が役に立つなんて思わなかったって笑ってましたね。
はい、返ってきてからも付き合いはあったんですよ。旅してるときに行方不明になったんじゃなくて。
その……つい最近まで――連絡があったんです。
それがこのメールで……怖くて返信できなかったんですけど、少しして玄ちゃんがいなくなったって玄ちゃんのおかあさんから……。
ホントかどうかわからないんですけど、調べていただけないでしょうか。
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