第9話これから
目的地につきヘッドホンを外し師匠に説明を要求するという意味を込めて睨みつける。
「おい師匠説明をし」
グシュ
「おいこれで良かったんだよな。」
鋭い聲が男の体に突き刺さる、だがそれに動じず微笑を含みながら煽りながらいう。
「これで良かったもないも、君は無駄なことを思い出したこいつの顔面ぶん殴って僕の言う通りにしていればいいんだよ。なぁ龍二。」
名前を呼ばれた瞬間、シワだらけの顔がクシャクシャになる程睨みを効かせる、その目には怒り、憎悪に燃えた目がシワに隠れながら覗いていた。
「龍二、君はな僕の言うことだけを聞けだいいんだ妙なことは次は考えるなよ、こいつをおかしくしろとは言ったが、俺に反抗する様にしろなんて一言も言ってないぞ。」
そういうと男は先までのふざけた態度から威圧的な態度に急変した、まるで自分にこの場を仕切る権利があるかと言わんばかりの態度である。
だが男の態度におじきずくことなく龍二は睨み続ける、そこは誰の関与も許さない領域が存在しているかのようだった。
「あんたの考え破綻しているよ、おかしくするまであそこまでする必要はないはずだ、あんたは何がしたいんだよ。」
龍二が問いかけた瞬間男は少し微笑んだ、だが龍二へ
の威圧はいっさい解かれなかった。
「決まってるだろ何度も言わせるなよ僕の目的のためだよ、だから君は何も言わず黙々と僕の言う事だけ聞いてればいいんだよ。」
龍二は呆気に取られた、ここまでする目的はなんなのかそれが気になってしかたがなかった。
「あんたはなんなんだ!こいつの記憶も性格も全部変えて、、おかしくして、あんたはバケモンでも作りたいのかよ!」
「何を当然なことを言ってるんだよ。そのためにこんなことをしてるんじゃないか。」
龍二は驚きを隠せないさっきまで威圧的だった男が、自分の発した言葉を聞いた瞬間、煽るかのように微笑混じりですぐに返答した。
「龍二、僕はね完璧な生物になりたいんだよ。そのためにはこれの自己再生能力が必要なんだ。」
男はこれと言った、そう男にとって龍二は自分の進化のためのものでしかないのだと、龍二は即座に気付く。
こいつには希望、願望はもってはいけないと再確認さられた。でなければ自分への仕打ち、物扱いはしないのだ。
「君はもうこれ以上能力は使えないだろ。君の能力は自分の寿命と引き換えにして、記憶の改竄や暗示をかけたりするんだ、その様子じゃもうあと二回がげんどだろ。今度は性格は変えなくていいから、記憶を俺との訓練と言語と知能、以外をこいつの脳から全部消してくれ。次君が今回みたいなことをすれば、君の家族、友人全員を殺すいいね。」
ニコッと微笑みかけるが、男の目は全く笑っていなかった。
「わかった、、、次は絶対しない。蒼梧悪いなお前のこと守れなかった後は頼む。」
龍二は涙混じりに答え、誰にも聞こえなく今にも消えてしまいそうな声でつぶやいた。
龍二は拳を握り目の前が見えなくなるまで拳に力を込め、勢いよく振り下ろした。
「、、、」
「目が覚めたかい、蒼梧。」
見知らぬ男に急に問いかけられる。周りを見渡しても何が何だかわからない、しかも自分の素性すらもわからない。
「あなたは、誰ですか。」
そう問いかけると、男は微笑みゆっくりと歩み寄ってり隣に腰掛ける。
「僕の名前は、近衛 克馬このえ かつま。君の師であり義理の父だ。」
男は、優しく何かを心配そうな声色で答えた。
「すいません、何も思い出せないんです。」
そういうと、少し笑い方に手をかけてきた。その態度はまるで全て理解していると言わんばかりだ。
「君の記憶がなくなっていることはもうすでに理解している、ある医療機械でそれが判別できるんだ。」
医療機械か、なるほどなだがこの部屋にはこれといっためぼしいものは一切ない。
「今日、稽古中に事故が起きてしまって君は生死の関わる怪我をしてしまったんだ。だけど君の能力の自己再生が覚醒したおかげで、記憶は無くなってしまったが一命は取り留めたんだ、本当によかった。」
克馬は下を向き少し震えながら肩を叩いてくる、震えがおさまり克馬が顔を上げると目から涙が流れていた。
「か、克馬さんが俺のことをよく思ってくれてるのはわかりました。あの、、、」
言葉が詰まってしまうなにを話したらいいのか全くわからない。だが克馬というこの男といると何故か背筋が凍るような感覚になる。
「大丈夫今日からゆっくりするといい大丈夫またいちからやり直そう君なら絶対なんとかできるよ。じゃおやすみ。」
そう言って、克馬は部屋から去っていった。これから俺はどうなっていくのだろうか。何故か考えれば考えるほどに不安になっていった。
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