心臓と珈琲
初乃 至閉
心臓と珈琲
危険です危険です危険です危険です
「何がそんなに危険視されているの」
「僕の心臓です。僕の心臓は危険視され、重厚な完備システムの元管理されている。」
紛い物の僕はこの檻の中で自身の危険を察知して外部へ訴える事。
極度の切望毎日目は欲しいモノを追い求める。だなんて誰かが言ってたっけな。
物事の本質が極度の切望奇妙な夢から、悲鳴から逃げるように朝方の部屋から逃げ出したい。
でもそんな事をするとまた、危険です危険です危険です危険ですと叫び出す。暗いうちに目が覚めて奇妙な夢と悲鳴から逃げられなくなる。
苦しくて息苦しくて、僕の味方は誰もいなかった。異常者ぶったって人の気持ちは解らないし僕の気持ちを理解し共感し受け入れてくれる様な都合の良い存在は沢山いたけれど僕は知り得なかった。みんな僕の手のヒラで転がせてしまうチンケなおもちゃばかり。いっそ僕は孤独感が耐えられない可哀想な子供を育ててみたくなった。倒錯的な思想が苦痛で封鎖された環境になっていました。
「ああくだらない、ああ眠たい、ああ眠りたい。夜が待ち遠しい。」
彼女はいつもそんな事ばかり考えてすぐ口に出す。血みどろになりながら仲間が死んでゆく姿なんて今の時代見れたものじゃ無いけれど僕はこうして生きてしまっている。危篤、騰、精神病棟の皆様へお食事を配りましょう。僕は偽善が大好き。
いつからだろう。僕は君の真似をして珈琲缶を自販機で買う様になった。
「こんなの飲みもんじゃないよ!苦っ」そう言って甘えていたのを思い出す。僕はこの危険情号の中いつも珈琲を飲む様にしている。と、言っても君と同じブラック珈琲なんて飲めないから微糖の成分表に牛乳と表記されているものしか飲まないのだけれど。
忘れられないよ君の声と君と聞いた音楽と夕日となんて東京のこの狭い人混みの中で一人横たわる不審人物として僕は君との干渉に浸って
「やっぱり思い出せないな。」なんて独り言を呟き中野の狭いワンルームへ帰宅するのでした。
ブラック珈琲を自販機で買ってみよう。財布を持って自販機まで気怠い体を動かしてみる。
今まで微糖で苦味を打ち消していたのがダイレクトに、少々の酸味と共に口内に奥腔へ広がってゆく。君ってただ大人ぶって居るだけなんじゃないかななんて思っていたけれどこれ僕にはのめやしないよ。やっぱり君がいない時に無糖の珈琲なんて買うんじゃなかった、君が居る時に精一杯甘い珈琲を飲んでいた僕が急に恥ずかしくなった。
もう一口、もう一口、君を思い出したくてもう一口。そうすると危険信号はいつも悲観的な音を奏で
て僕に
「イツカ、マタ。アエルヨ。」
きっとまだどこかに或る幸せというもの、志という事、僕が居るということ、いつか夕焼空の向こうに君が立っている気がする。僕の好きなミルクティーを持って。君の好きな青い缶の珈琲缶を持って、わざと青のコーヒーを僕にくれて「許さないよ」
「ありがとう。」僕は無糖の珈琲なんか飲めない君がいるから飲んでみた。その度にまた夢見心地になる。また心臓が叫び出す。
危険です危険です危険です危険です。・・・・
心臓と珈琲 初乃 至閉 @hatsunoshihei
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