第2話 アンデッド狩りアンデッド

「ふむ、こんな所か。」


 プラチナムが見渡せば無数のアンデッドだった物が散らばっている、アインズ様から拝借した骸骨戦士スケルトンウォリアー骸骨弓兵スケルトンアーチャー骸骨魔法師スケルトンウィザード骸骨神官スケルトンプリーストで組んだ隊伍でカッツェ平野で彷徨っていた低位アンデッドを軒並み倒していた。


「《伝言メッセージ》ワイズ殿、すまないが《転移門ゲート》をよろしく頼む。」


「承知した。」


 ワイズとはアインズから特別に拝借した死の支配者・賢者オーバーロード・ワイズマンの事である、高位アンデッドを借りる事に抵抗があったがプラチナム自体転移門ゲートを使えない為ありがたく拝借していた。


 黒き闇が広がり無数の骸骨スケルトンが出てくる


「骨や死体は1つ残らず持っていくように、にしてもプラチナム殿今回もよく集めましたな。」


 骸骨スケルトンと一緒に出てきた賢者ワイズマンことワイズが指示を出しながら話しかける。


「なに、アンデッド同士である為向こうから襲ってくる事もないし反撃もされないので作業みたいなものです。所ででアンデッドは発生していますか?」


 蠱棺こひつぎとはプラチナム発案のカッツェ平野の地下10kmにある高さ1km広さ5㎢の大空洞の事であり、そこにアンデッドを死骸を詰め込み負のオーラを溜め込みアンデッドの自然発生を促しているのである。


骸骨スケルトン動死体ゾンビなどの低位アンデッドの自然発生は確認出来ており、そいつらを放置し寄せ餌にして更にアンデッド発生を促しているがアンデッド発生率も上がっていて中位アンデッドが生まれるのも時間の問題だろう。」


「そうですか、実験成功という訳ですな。アインズ様に良い報告書が書けそうだ、ならばワイズ殿次の段階の話だが…」


 2人のアンデッドは骸骨スケルトンの作業が終わるまで計画の詳細を話し合っていた。


 〜アインズ執務室〜


「ほう、低位アンデッドの自然発生に成功。計画の一段階は乗りこえた…か」


 プラチナムからの報告書を読みアインズは内心で気持ちが高まっていた。


(転移してきて分からない事だらけだったけどようやく成果らしい成果を見た気がするな!順調に行けばお金の事は気にしなくてよくなりそうだしプラチナムには是非とも頑張って貰いたいな…)


「アインズ様、帝国の件ですがモモンを使って…アインズ様?」


「あぁデミウルゴス、聞いているとも」


 アインズはアインズでモモンとしての活動やデミウルゴスからの計画の話で自由に動けずにいた


 それから数ヶ月


 〜蠱棺〜


 蠱棺内は明かりなど一切なく闇視ダークヴィジョンが使えない者には歩く事さえ出来ないだろう、ましてやそこに何がいるかさえも。だかそこには確かにいるのである目では見えずとも無数の音が聞こえてくる。


 カタカタ…どちゃ…ぬちゃ…ガリッガリッ…


 骸骨スケルトン動死体ゾンビ死の騎士デス・ナイトなど多種多様なアンデッドがひしめき合い地獄絵図と化していた。そんな中、蠱棺の監視と転移門ゲートの役割を担っているワイズと有事の際に備えて不可視化インヴィジビリティで待機している下僕達は感じ取った。


「この気配…!アインズ様に報告しなければ!!」


 ワイズがそう発したと同時には口を開いた


「我こそがお前達を導く魔の救世主である!さぁ我に従え!!」


 地下聖堂の王クリプトロードの産声である。

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