ヤリオ2号くん
にんじんペン
第1話 盛りボーイ
爽やかな朝だ。とても清々しい、今日も神が俺を呼んでいる、、、。
そう、この日をずっと待っていたのだ。地獄のような中学校生活を終えて、片道2時間の共学に進んだ。
その理由とは、ズバリモテまくるためである!
あわよくば女の子を抱いてみたい、、、!そんな野望を叶えるために必死に努力した。
毎日の筋トレや制服の着こなしやスキンケアなど徹底的に磨いた。俺は、変わるために一歩を踏み出した。
ベーコンと目玉焼きにコーヒー、うちの母親はいつも美味しい朝食を作ってくれる。
軽く手を合わせてつぶやいた。
「いただきます」
母親は俺を心配そうに朝食をたべる姿をじっと覗き込んでいた。
「
俺は思わずに箸を叩きつけてしまった。
母親は、心配そうにしていたが飯をかき込んで玄関の扉をくくった。
これから新生活を始めると言うのに中々素直にならなかったなと思いながら駅まで走る。
片道2時間だ、電車に乗り遅れたら大変だ。
駅のホームに着いた頃、俺は絶望していた。
なんと電車が止まっている。
人身事故か何かだろうが全く動く気配がしない。
とりあえず、駅の中にあるコンビニでジュースを買って待つ事にした。
「ベンチあるかな、、」
お、ベンチを見つけたがショートヘアの可愛い女の子が座っている、、しかもとてもビッグな物を持っている。隣は、空いているようだ。
それにあれはうちの制服だ、勇気を出して隣に座った。座ったのはいいが、とても緊張する。
女性の近くに行くと緊張してしまうのは、昔からで自分で考えてもキモいと思う。
ソワソワするのも嫌なので違うベンチを探しに行こうと思った時だ、なんとその可愛い女の子から声をかけられた。
「君新入生?何かあったの?」
質問の意味がわからなかった、ぽかんとした顔をしていると続けてこういった。
「いや、ごめんね。なんか緊張してるのかなって思っただけ」
なんと、ソワソワしているのを察して声をかけてくれた。これは、彼女の勇気に答えなくてはいけない。
「すいません、初めての登校で遅延していたので間に合うかわからなくて」
少しの緊張と作り笑顔でそう答えた。
それにしてもとても良い匂いだ。花のような香りがする。これがJK、、なんと言う破壊力だ。
少しニヤつこうとする顔を押し込めた。
その女の子と話してわかったのだが、どうやら一つ上の学年のようだ。
そう、、先輩だ。
俺は今日一番の勇気を出して名前を聞いた。
彼女は、毅然とした態度で答えた。
「星山高校2年の紅山しのんだよ」
なんとけしからん自己紹介だろうか、胸元に手を当ててビッグな胸を強調している。
朝から良いものを見れたご馳走様です。
そんな変態を横にしてでも笑顔を向けてくれる、まるで天使のような人だ。
彼女は、俺の方をじっと見ていた。
これは失敬人に名を聞いたら自分も名乗るのが礼儀だ。
「僕の名前は、吉川 奏悟です。」
自己紹介を求めていたのではなく、顔に鼻くそでも付いていたらどうしようかと思ったが、彼女は、ニコッと笑ってこういった。
「よろしくね、奏悟くん!」
なんといきなり下の名前呼びだ。だめだこのままでは、ニヤニヤが止まらなくなってしまう。
それから、しのんさんと色々と話した。
話を聞いていくと結構なアニオタだった。俺もアニメが好きだから話はよく弾んだと思う。
俺は、返事を返すだけだったがコミ力お化けなしのんさんは、ずっと話してくれていた。
一番長かったのは、最推しのキャラクターの解説だった、キャラデザが良いや声が好きすぎるだとか色々話していた。
愛が強すぎて聞いている俺は仏の顔のようになっていたかもしれない。
これほど話を親身に聞ける男は、中々いない、、少しキモいがこれ間違いなく、この後発展していくやつだ!初日からチャンスが到来した。
そんな妄想を膨らませていると、アナウンスが鳴った。
「線路の安全状況が確認されましたので、運行を再開します。」
チッ、このまま電車を止めていれば良いものを。
しのんさんがまだ推しの話をしているでしょうが!!
まぁこれでやっと登校できるのだから良しとしよう。
改めてしのんさんの方に向き直ってさぁ、先輩一緒に登校しましょうかとドヤ顔で誘おうとした時だった。
「奏悟くんー、今日午前授業だけだよね?」
確かに言われてみれば、午前で終了だ。
なんの関係があるのだろうと疑問に思ったが、俺は慌ててスマホで時間を確認した。
最悪の事態が発生していた、学校に着くまで約2時間、、、。
「あはは、、もう10時ですね。」
到底午前中につける時間ではなかった。俺はショックのあまりに肩を落としてしまった。
それとは対照的に先輩は、少し嬉しそうに言った。
「学校からメールで今日は休みだって」
親指をたててグッとポーズとしている。さっと立ち上がって俺の方を向いてこう言った。
「て事で!またね奏悟くんー!」
少し駆け足で改札を出ようとしていたが、少し立ち止まって俺にこう言った。
「あ、それとスマホかなんかで顔見た方がいいかも、じぁね!」
軽く手を挙げて光の速度で帰って行った。
俺は言われた通りにカメラ昨日で顔を見た。
ついてたよ、朝食べた米粒が、、。
恥ずかしさと今まで米粒を気にしながら話していたのかと思うと、申し訳なさまで感じる。
「もうちょい早く教えて欲しかったな」
俺の初陣は、可愛い先輩に米粒が付いていると教えられて終わった、、、。
「それにしても、、しのんさん可愛かったな」
家に帰ると母が出迎えてくれた。
母さんは、いつも笑顔で迎えてくれるもんだから思春期の俺からすると少し照れくさい。
「ただいま」
俺は、スマホを見ながらぶっきらぼうに挨拶をした。母は、嬉しそうに答えてくれた。
「おかえりなさい、残念だったね」
俺は返事を返さずに自室に戻った。ふかふかのベットに頭を突っ込んでさっきまでの事を考えていた。
「明日からは、行く前にちゃんと顔を確認してから出よう」
こうして俺の新生活が始まった。
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