第11話 東浦町ダンジョン攻略戦②

うわぁ、洞窟フィールドだぁ。

部隊を別行動できない関係上攻略スピードがそこまで低そうな上で数の力を一番生かしづらいから嫌だったんだけどなぁ。

モンスターはゴブリンであってくれると助かるんだけど・・・バットだけはやめてほしいなぁ。

見つけづらそうだし空中飛ばれるのもダルそうだ。


多分だけど洞窟フィールドを生成した際にできるフィールドは遺跡フィールドと同じ仕組みだろうからそこそこな範囲にランダムな道ができているはず。

分かれ道も相当あるだろうから走りながらコアルームへの道を探さなければいけない。

どういう形で扉を作っているか分からないが大体は隠し扉タイプだと思う。

自分で作っている感じ入り口は行ける場所ならどこにでもどのようにでもおけるはず。

天井に作られていた場合はどうしようもないが左右の壁は確実にクリアしておきたい。

先導部隊と左右のクリアリング用の部隊、後はそれぞれ自分を囲うように配置していき、殿に二つ部隊を置いて後ろからの奇襲に備える。


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◎=先導部隊、●=クリアリング部隊、○=コボルト部隊、★=大青含む護衛部隊


   ◎

  ●○●

  ○★○

   ○

  ○ ○


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洞窟の通路が細い関係上縦長の配置になってしまうが草原や森フィールドと違って広く展開する必要もないのでこれで進んでいく。


ここのダンジョンマスターが他のダンジョンを支配していなければ隠し扉も単純でトラップなんかもないだろうけどそうじゃなければ考慮しなきゃいけないことがめちゃくちゃ増える。

隠し扉の開放に制限があったりトラップがあったりする可能性があるから警戒が必要だ。

現状では他のダンジョンを支配しているか判断つかない。

モンスターが二種類出て来たり、洞窟フィールドでは手に入らないモンスターが出て来たりするとわかりやすいんだがな。


“大青。阿久比町のダンジョンに侵入者が現れました”

おっ、うちへの侵入者第一号が来たのか。

阿久比だとこの東浦町か知多市の戦力だと思うがどうなんだろうか。

“侵入者はバット約200体、コボルト約100体とダンジョンマスター本人が武装をしております”

うわぁめっちゃ連れてきてるじゃん。

しかも阿久比町はスライムのダンジョンじゃん。


攻めてきた勢力に他のダンジョンを支配しているのを知られたくないから俺のダンジョンはもともといたモンスターのみを配置するようにしている。

ただスライムだけだとどう守るかも悩むなぁ。

もともと俺もいる中で防衛するつもりで考えていたが俺が攻めていてダンジョンにいないときを想定してなかった。

さすがに防衛を楽観視しすぎてたなぁ。

これまで攻めてきた勢力がなかったから油断した。


とりあえず小白、今控えに回しているスライムを全部阿久比町ダンジョンに出しておいてくれるか。

そしてオークを配置させてもらう。

多分オークの情報はAIから教えてもらえないと思うんだよなぁ。

自分で当てた分には解禁されるだろうけど俺が生息地情報が森しか分からないみたいに他のダンジョンマスターもオークを持たない限りは分からんはず。

だからこそオークが草原で出ると錯覚させられると嬉しい。

配置するオークは100体。

控えにいた分すべてを投入する。

その上で基本的にはオークで襲撃、スライムは地面にできるだけ紛れてもらう。

ただ草原のスライムはスライムにしては体が硬めで形状変化させづらくなっている。

できるなら気づかれずに足を取れると最高なのだが草で姿を隠しているだけだとばれる可能性が高そうだから、警戒され始めたらそのまま数の攻撃を始めようか。

現状においてはまだまだDPが貴重でオークの価値の方が高いからスライムからの攻撃が始まった時点でオークは引き気味にしたい。


小白、スライムを攻撃させるタイミングの指揮だけお願いしたい。

できるならダンジョンマスターは生け捕りにしておいて欲しいけどそこは無理せずでいいよ。

“了解しました。阿久比町ダンジョンの防衛指揮に入らせてもらいます。最悪の場合の撤退の判断はどこで出しますか?”

オークの損害が50%を下回った時はもう撤退していいよ。

スライムの損害は気にしなくていいよ。

撤退時もそのまま置いておいて戦わせて。

攻略の邪魔にはなるはずだから。

“了解しました。それでは接敵後スライムの攻撃開始時と撤退時に連絡を入れさせてもらいます”

了解。それで頼む。

こっちの攻略も急ぐつもりではあるがここのダンジョンマスターが二つ以上のダンジョン支配していることがほぼ確定したから相当時間かかるかも。


よし、これで一旦侵入者については小白に任せることにする。

自分の最善の役割としてはこのダンジョンをできるだけ早く攻略することだ。

侵入者の報告で止まっていたが攻略を進めていこうか。



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攻略は単調なものだ。

モンスターが現れることもトラップが仕掛けられていることもない。

でてくる可能性のあるモンスターはバットとコボルトなのは分かっているがどこで使ってくるのかが分からない。

攻めにすべて費やしているなんてことはほぼないだろうから、どこかにいるだろう。

また攻めには向いてなさそうなバットを大量に攻略に向けていることからモンスターの種類もそれ以上いることは無いだろう。

初日の攻略戦で双方甚大な被害があって決着がついたとしても攻めてきている分に+100体づつくらいは残っていると思う。

それが防衛に何もいないのはおかしいので何かしら仕組まれているだろう。

攻略するにあたってあれだけ情報を落としてくれるダンジョンマスターは力押しで勝てると思って攻めているだろうから、防衛に対してもそこまで凝った仕組みを組んでいるとも組めるDPがあるとも思えない。


だからこそ俺が考えられる可能性は二つ。

一つはこちらがメインコアでは無くて防衛の重きを置いていないというもの。

これであればこのダンジョンはそのまま攻略、防衛の様子を見つつ知多市のダンジョンに攻めていくことになる。

もう一つは南知多のようにモンスターを倒さないといけない制限がついているうえでモンスターの配置を考えた場合。

例えばコボルトを倒したうえで1時間以内に入り口に着くという制限がついていた場合、コボルトを入口の真反対にすべてまとめることで戦いづらさと制限を突破する可能性を下げるなど予測しやすくする代わりに攻略自体の難易度を上げることもできる。

特にコボルトやバットの場合、オークと違って単体性能があまり高くないので南知多のようにばらつかせて予測しづらくしてもたまたま攻略できてしまう可能性が高くなってしまう。

だからこそモンスターを固めるやモンスターを隠すことで攻略の難易度を上げることができる。

どちらの場合でも今からやることはこれまでと変わらないのでスピードを上げつつ頑張って行軍していこうと思う。

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