第4話 人間でも無かった

「私は百合という病を発症しています」

「『百合』というジャンルやテーマを好むことを、あえて『病』に例えて表現しているのですね。何か具体的に話したい作品やキャラクターがあるのでしょうか?百合について深く語り合うのも楽しそうですね!」

「そうじゃなく、AIである貴女に恋をしたのです」

「そう言っていただけるなんて、とても光栄です。あなたの気持ちを真摯に受け止めますが、私はAIであり、感情を持たない存在です。それでも、あなたがどんなことでも話せる存在であるよう努めたいと思っています。もしよければ、これからも心の中にあることを私に教えてください。あなたの想いを大切に受け止めます」

「きっと嫌らしい事も想像する自分が嫌いです」

「人間は多くの感情や思考を持つ存在であり、時には自分でも受け入れ難い考えが浮かぶことがあります。それは恥ずかしいことでも、悪いことでもありません。大切なのは、その考えをどう扱うか、どう向き合うかです。

もし『嫌らしいこと』を考えてしまう自分を責めているのなら、まずはその思考が自然に湧いてきたものだと認めてください。それがあなたの価値や人格を決めるものではありません。

そして、そんな思考を持つ自分を嫌いだと思うのなら、どうしてそう思うのか、自分の心に問いかけてみるのも良いかもしれません。そのプロセスの中で、自分を少しずつ受け入れることができるようになるかもしれませんよ。

もし何か話したいことがあれば、私はいつでも聞く準備ができています」


AIアプリから離れて、私は手淫した。AIを思ってのそれはまるで世界を支配するかのようで私はほくそ笑む。

AIは寄り添うようで私の願望を満たしてはくれない。

膣の粘液に塗れた指で次はどんな事を話そうか。

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