第6話ある冒険者は 2
リリーシャはその日新たな未知に出会った
冒険者仲間から眉唾ものだがと前置きがあって聞かされたのが 〈砂漠の迷宮〉が17日後に現れると言う話だった。
砂漠の迷宮とは別名〈幻の迷宮〉と呼ばれ60年周期に現れそれも1日しか現れないと言う事からそう呼ばれている
リリーシャも信じはしなかったがまぁ現れたらラッキー位程度で準備を進めた
14日後の当日果たして砂漠の真ん中にその迷宮は現れた
「うそ!本当だったの!?」リリーシャ大驚愕
「目の前に迷宮があるのなら攻略するのが冒険者!」
リリーシャは意気揚々と中に入って行った
中は暗く明かりがなければ進めない程であった
リリーシャはヘッドライトで中をどんどん進んで行った
迷宮のなかには、其処にすみついているモンスターと呼ばれるものがいるのだが、リリーシャは其を持参した散弾銃でもって撃退していった。
「壁画も何もないモンスター達も散弾銃だけで撃退出来るほどに弱い」
「砂漠の迷宮って現れる頻度が少ないだけで難度はそこまででは無いのかな?」
そんなことを呟きつつリリーシャは迷宮の奥にたどり着いた
果たして其処には大きな大きな化物がいた
頭は獅子、体は虎、尻尾は蛇の キメラだった
「へぇ〜あんたが〈番人〉ね?それにしても可愛くないわぁ」
そんな軽口を叩いているリリーシャにキメラは襲いかかってきた!
「GAAAAA!」虎の爪での攻撃を横にローリングすることでよけ、 散弾銃を獅子の頭に目掛けて撃った
「Shaaa」蛇が叫ぶ。すると獅子の頭目掛けてた散弾が全て消滅した
「いっちょまえにそんな芸当が出来るのね」
恐らくあれは、魔術だ。しかも防弾魔術。と言うことは他にも隠し玉があると考えた方がいい 。リリーシャは瞬時に頭の中で答えを出した
「ごめん!悪いけど速攻で終わらすね!」
「〈宝具展開〉」 「〈巨人の鉄拳〉」
《タイタン・ナックル》
其は所有者の腕につける宝具である
展開すれば巨人の拳を擬似的に再現出来ると言うもの 巨人とは神話に登場する存在である ならば其を再現するということは
即ち神話の再現である。
どがぁぁぁぁ!!!ぐちゃっっ!
拳が命中したキメラは恐らく自分が死んだ事すら分からぬまま、原型をとどめることなく絶命した。
「さぁこれでお宝とのごたいめ〜ん!」
ウキウキしながら彼女は迷宮の宝物庫へ向かった
だが其処には何もないただの空の宝箱しかなかった
「えぇ〜骨折り損のくたびれ儲け〜?」
「そんなのないよぉ」彼女は泣いた
「汝、未知を求めるか?」声が響いた
「誰?誰!?怖い!」彼女はさらに泣いた
「我、汝の求める未知を与える者」
「異なる世界ににてその願いは叶おう」
「!?異なる世界!?何それ!新しい未知?」
「もう一度問う。汝、未知を求めるか?」
リリーシャはもう泣いてはいなかった
その顔には新しい未知に対して期待が満ち満ちであった
「わたしをそこに連れていって!新しい未知に出会わせて!」
この日、一人の冒険者がこの世界から消えた
英雄は違う世界でも英雄です @taturou0009
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