英雄は違う世界でも英雄です
@taturou0009
第1話 ある英雄は
その国では、鬼と人間の戦いが長く続いていた
そして今その戦いは終わりを迎えようとしていた
「鬼の首領、酒呑童子その首、貰うぞ」
「人間如きが俺の首落とせるかよ」
一人と鬼の周りには数多の死体が転がっていた
鬼の死体である
都より鬼の討伐の命を下され鬼ヶ島にやって来たその人間は、鬼ヶ島に着くなり瞬く間に 鬼を斬り伏せて 遂には鬼の首領よのいる城迄たどり着いていた
その人間は、女性であった。
黒髪は長く腰まで届いており 瞳は金色
肌は陶磁器の様に美しく
されどそれに似つかわしくない無骨な鎧
そしてその手に持つは長い刀であった
「お前鬼よりも鬼らしいぜ?気に入った俺の女になれよ」
酒呑童子と呼ばれる鬼は酒を煽り上機嫌で語りかけた
その鬼はでかく、それでいてよく鍛えているのが分かる体であった
「戯れ言を今その首を落としてやるからそこ動くな」女は刀を構えた
「おいおいちょっと待てよ首、首ってさっきからそれしか言葉を知らねぇのかよ」
鬼もそういいながら腰を落として構えた
「あっ聞くの忘れてたお前の名前何て言うの?俺の女にするんだからさ名前知らねぇとよ」
「うるさい首になるんだから首に教えても意味ないだろいいからそこ動くな首落とすから」
「やべぇよこいつ話が成り立たねぇ」
鬼は戦慄した 何こいつ
女は苛立っていた 早く首落とさせろ
鬼が踏み込み右腕を放つ それは只の右ストレートだが、鬼のそれは最早必殺であった
大体この一発で終わる。鬼はそう思っていた
現実は違った
何せ気づいていたら視線が逆さまだった
あれ? 俺転んだ?けど何か違う何が違う?
鬼は混乱していた、視線を少しずらすと見慣れた「もの」があった 「それ」は右腕の無い自分の体だった
「は!?俺の体!?何で?どうして?」
「呆れた生命力だ首になってもしゃべるのか」
「ぇ首?」 鬼はその言葉が理解できなかった
先程までに場面は戻る
鬼が放ったストレートを、女は「雷」と呼ばれる回避術でかわし、右腕を切り落とし、首を切り落とした。この間3秒である。
「お前マジかよ。俺はこれでも強さには自信があったんだぜ?それがこれかよ」
「人を舐めた結果だ。いいからさっさと死ねただの物言わぬ首になれ」
「やっぱりお前やべぇわ」鬼はそれっきり喋らなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます