<SecretTrack>
※ ながら見はやめてください。
俺には3分以内にしなければならない事があった。それはバッファローを出口に届けること、そしてこの個室から出ること。
さもなければ、俺のスマホが濡らされてしまうのだという。だから、何としてでもバッファローを出口に向かわせなければならない。
☆☆☆
時は数分前に遡る。
俺はバッファローが来るのを感じて逃げ出した。どんどんどんどん迫ってくるのを感じる。
ズドン!ズドン!ズドン!
せ、迫り来るッ!?
一目散に逃げ出し、個室に閉じ籠もった。
よし……取り敢えず安心だ。ここなら大丈夫だろう。
そして、ここからはバッファローを誘導しなければならない。スマホを開き、バッファローを意識しながら見たいもんを見る。
その時だった。ガチャンと音が鳴り、驚いて上を見た。そこには「3分以内に個室から出よ」というメッセージがいつの間にか表示されていた。
「なっ、何なんだよこれー(笑)」
鼻で笑った次の瞬間、メッセージが切り替わりヤバい文章が出てきた。
「さもなければ君のスマホを水で濡らす」
「お、俺のスマホを…………ぬらっ、濡らすだとぉ!?????」
ここでバッファローの説明をしよう。バッファローとは角が鋭く、茶色の体毛に包まれた哺乳類のことである。バッファローの鳴き声は「んもー」であり、赤色に過剰反応することも有名である。
俺は急いでスマホの画面を消した。個室から出る為に、バッファローをいち早く誘導しなければならないからだ。焦りが汗となり滲み出る。
「んもーーーーグオオオッ!」
☆☆☆
大変なことが起きた。バッファローは俺の全てを破壊しながら出口から出てきた。急いでバッファローしようとしたばかりにバッファローしてしまったのだ。
あまりの大ダメージにその場でのたうちまわり、3分以内に個室から出る事は出来なかった。勿論天井からシャワーが降り注ぎ、俺のスマホはお陀仏となる。
「そつ……そんなっ!」
全てが破壊され、スマホも破壊され、俺の心も破壊されてしまった。
☆☆☆
2024年、日本全国のトイレの仕様が変わった。政府がトイレでスマホを見る人を減らすために施行した法律だ。
もし個室に入り便器に座り、スマホを見ようものならスイッチが起動し「3分以内に個室から出よ」というメッセージが表示されるのだ。もし従わなければ天井からシャワーが降り注ぎ、スマホ(水没耐性機能付き以外)を破壊する。
トイレの個室はスマホを見るものではない。私はトイレに行きたいのに、トイレでスマホを見ている奴のせいで漏らしそうになったことがある。許せないッ!許してたまるものかッ!
もし今トイレでこの短編を見ているのならいますぐ出て、自分の行いを反省しなければならない。
さもなくば天井から出てくるシャワーが君の心を破壊することだろう。
EP「この世界がカクヨムの底辺小説の中だと知った僕は、ランキング上位にする為に奮闘する−超絶弩級の自虐小説です−」 YOSHITAKA SHUUKI @yoshitakashuuki
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