第26話「仮初の正義」

空に映る

その幻影

またとない

心を知らしめる

これが正しいなら

あなたの言う正義が

自身を支柱に出来てはいないか


臆面なく

事の顛末を知るならば

なぜ言葉を急いてまで

無き者にするか


あなたの言う声が

わたしの言う声と

違えば


そこにあなたは畏怖を唱えるのか

まるで罪より未熟な者に

汽笛を鳴らそうと

それは信号となって心を止めるわけではない


あなたが信じたい事は

仕事なのか世界なのか

それとも臆面ない聖者なのか


真実に値するまで

理を曲げ続ければ

あなたはきっと

消えてしまうだろう


人は時に愚かであり

話せるものだけが正しいわけではない


言葉をつっかえさせれば

その分、負の感情はたまるだろう

それが正義なのか

そこまでして何を成したいのか


あなたの言う法は

果たして守るほど価値はあるのか


私にはすべて、無駄だと思う


なんせ、幸せなら罪など犯さないからだ

君は随分といい人生を歩んだんだね


それだけに言葉を飲んで

君と生きるよ

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