異世界に行きたい!行きたい!だだをこねる、引きこもりニートがまさかの異世界転生
ようた
第1話 現世から異世界?
「あぁ!俺が異世界行けば英雄だわ!全く、異世界転生したらすぐ何が出来るかとか考えろよ。このご時世にまだ分からないかねぇ、、、、」
その男はテレビの前で寝ながら、アニメを観ている。
カーテンは閉め切られ、部屋のあちらこちらに飲み食いされた食べ物や飲み物の容器が散乱している。
そう!彼は引きこもりニート。
頭はズバ抜けて良いが、詰めが甘く、ここぞと言う時にすぐ諦める性分のせいか、就職氷河期の皆が汗を流し就活する間も、彼はその光景を見てはニヤニヤし、あたかも自分はもう勝ち組かの様に振る舞う。
就職活動は失敗。ことごとく落ち続け、その度に企業側のせいにしては現実から目を背けていた。
なんとか就職が決まったが、時間外労働は当たり前、残業はサービス残業。休日出勤なんてもちろんの事。
ブラック企業へようこそ!
もちろん彼が続けられる理由もなく、逃げる様に会社を辞める。
そこから、彼は引きこもり続けている。実家も裕福とは言えない為、両親も困り果てていた。
母:「喜一?ハローワークでもまた行ったら?」
両親が話しかけると独り言もやめ、部屋にいる事は明白なのにも関わらず音を出さないようにする。
言い忘れたが、彼の名前は伊藤喜一(いとうきいち)年齢は40歳になる。
異世界転生のアニメや漫画、小説をこよなく愛する、健康が取り柄の男性だ。
母親が部屋から離れる足音が聞こえる、喜一の部屋は2階にあり、母親が階段を降りた時にようやくアニメをまた見始めるのが日課。
ガタガタ!!!!聞き慣れない音が響き渡る。「うぅ〜。痛い、いたぃ」
母親の声が聞こえた。
喜一は異変に、気が付き部屋を飛び出す、ずっと寝転がってアニメを観ていたせいか足がおぼつかず、階段から思いっきり転げ落ちる。
遠のく意識の中、母親の顔が見える。
喜一:「なんだよ、大丈夫そうで良かったわ」
母:「喜一!!!頭から血が出てる!どうしよう!どうしよう!」
小さい頃の記憶でよくケガをした時に、母親の顔をよく下から見上げていたのを思い出していた。
(こんなに、シワ出来て白髪も、、)
視界がぼやけ出し、意識も遠のく。
強い光の様な日差しの様な、引きこもっていたせいかとても眩しい。
病院なのか、どこなのか、まさか異世界転生しちゃたり????
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