第4話

あの後、私はあの部屋の鍵を奪われ

『もう帰ってくんな!!』


裸足のまま部屋を出た。

(行く宛もないし、頼れる人もいない。

もう死んじゃおうかな、、

それが一番いいかも)


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ビルの屋上の端に立つと夜風が当たる。


「あの人は本当に私を心から愛してくれていたのかな、、、

もうやり直せないのかな、、」


ギシッ ギシッ




軋むはずのない外階段がきしんでいる

ということは、誰か来た


「おい、女、そこで何してる」




「誰ですか?

第一あなたには関係のないことですよね」




「どうせ、飛び降りようとでも考えてんだろ

無駄だからやめな」



「は?」




「ここは四階の雑居ビルの屋上

下を見てみろ、この下はゴミ箱だ

そこに飛び降りてみろ

助かるだろ

お前は、死ねなかったと思い悔しがる」




「じゃあ、どうすれば、、、

確実に死ねますか」




「1、俺とくる

2、もっと高い場所から飛び降りる

3、このまま飛び降りてコンクリートに降りる







俺は、お前が1を選ぶと思うがな」





「な、なんでそんなことが言えるんですか、、」




「俺は死ぬ間際の人間の顔を五万と見ている。

その時の顔は、死にたくなくてもがく顔か死を受け入れている顔のどちらかだ

お前の場合は、死にたくなくてもがく顔にみえる」




「ど、、どうして分かるんですか。

なんで、私の気持ちが、、、わ、わかるんですか」




「相当お前の彼氏はクズだったんだな」




「そ、そんな事言わないでください!!!

あったことないのにそんな事言われる筋合いはありません!!!」




「おぉ威勢の良い

じゃあ、なんでお前は捨てられてんだ」




「そ、それは、、、わかりません。」




「お前だけの片思いってことだったんだよ



まぁ、俺はそんなことさせないがな


どうする、俺についてくるか?」









本当に私を愛してくれますか」




「勿論」





「グスッ ついていきます。」





「はい、じゃあそこから降りて俺の後について来い。」

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