綺麗な花が咲く頃に。

本書 こびん

第1話

私は、とある人に恋をしていた。それは、バスケ部の先輩。どんな人にでも分け隔てなく接していて、とても優しい先輩だった。でも、私なんかが釣り合うような相手ではなかった。


そんなある日、脚や腕が痛くなった。

一週間位したら、腕から植物の葉っぱが出てきた。

三ヶ月ほど立つと、その葉っぱはどんどん成長し、茎が生えたり、小さいネモフィラの花が咲いたりした。体の中では、根?のようなものが成長していき、体が動かしにくくなった。

五ヶ月くらいしたら、頭のところに根?が行ってしまったのか、どんどん何も考えられなくなった。そして、体に咲くネモフィラの大きさも徐々に大きくなっていった。

お母さんやお父さんとは極力合わないようにしていたけど、六ヶ月目でバレてしまった。

すぐに病院に連れて行かれた。その日は、たまたま人が少なかったから、すぐ診察室に行くことができた。

診察してもらって、お医者さんに最初に言われたことは、、

「花咲さんの余命は、あと、一ヶ月かと…、」

えっ…?

「花咲さんの病気は、花咲病という、いわゆる奇病、直せない病気で、花咲さんの場合、もう脳に根が到達しており、もうすぐ根が脳に届きそうになっています。病院で処方できる植物の成長を遅くする薬を使ったとしても、残りの時間はあと一ヶ月かと…。」

そう、ですか…。

「驚かないんですか?」

まあ、別にいいです…。

「そうですか…。とりあえず、入院してもらいますね。」

はい。




「ねえねえ!」

なに?

「今日来た子でしょ!?同じ病棟だし仲良くしようよ!!」

うん。私、花咲 彩葉(はなさき いろは)。

「私羽根 天音(はね あまね)!私天使病なんだよね…。あと余命はあと一ヶ月…。」

私、花咲病、、私もあと一ヶ月。

「私は石田 希良々(いしだ きらら)。よろしく。」

「私はね〜、薔薇 花梨(そうび かりん)!」

「残りの時間だけでも仲良くしよ!!」

うん!!


私の病棟は、奇病の女の子4人だった。

天花は天使病、希良々は鉱石病、花梨は花諦病。みんなあと余命は一ヶ月。奇病の進行はとても進んでいて、痛みを和らげたり、成長を遅くする薬を使ったとしても、みんなあと一ヶ月らしい。


早い自己紹介が終わり、みんなで雑談をしていた頃事件は起きた。


「ぅ゙っあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」

「希良々!!花梨、ナースコール押して!!」

「わかった!」


「どうしましたか!?」

希良々がっ!

「先生呼んできます!!」


「希良々さん!!大丈夫ですか!?」

「あ゙あ゙あ゙っ!い゙だっい゙、、」

「宝石の成長が早まってる…、、薬はあるか!?」

「はいっこれですっ」

「これっ、飲んでくれっ」

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙

あ゙っっっ…、、、ぐっぅ゙っ…」

「少し収まったみたいだな。」

「あ゙り゙がど…、ござい゙ま゙っ…、ずっ…」

「希良々さんの宝石の成長がいつもより早くなったな…」

「わ、だじっ…、じ、ぬ…?」

「大丈夫ですよ。まだ、あと30日ありますから。」

「う゛、ん…、わがっ、だっ…」



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