巨大ぐまとの戦い?!(1)

「今日は特訓するよ」

とニコニコ笑顔で先輩のクロはこう言った。僕は休日でやっとゆっくりしようと思ったのにまた特訓に誘われた。またせっかくのチャンスを逃してしまった。やっぱり断れなかったから渋々地下の特訓室に行った。「ホントに暗いですよねここ」と僕が苦笑いして言うとクロは「え?懐中電灯付いてなかった?」と意味不なことを言い始めたのだ。ちょっと待って?懐中電灯って付いてたっけ?と思いながら僕はお腹の辺りを見る。ん?付いてない。錯覚かな?と思いまたお腹の辺りを見る。うん。やっぱり付いていない。クロのお腹あたりを見ると懐中電灯が付いている様子はない。クロの体をゆっくりと見回した。え?手に持ってる。ちょっとこれは理不尽?と言うのかなんと言うのか。これ先輩しかもらってないのかも。先輩に軽々しく懐中電灯くださいっていうのは図々しいし。どうしよう。あ!確か特訓バッジをゲットすれば懐中電灯をつけるもらえるはず。今度はクロのポッケをチェックする。バッジが入っていない。だから懐中電灯を持っていないのか。「先輩って訓練バッジもらってないんですか?」と僕はデリカシーのないことを聞いてしまった。これショックだったらどうしよう。でもクロは「うんもらってないんだ。訓練しないでいざという時に任せているんだ」と笑いながら答えた。訓練する時に見なかった気がする。

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