第15話 制服姿で(難波駅)
今回の話は記憶が曖昧なので駅名が違って居るかも知れません。
なにせ、半世紀前の事ですのでそこの所は大目に見て下さい。
近鉄大阪線(奈良線も含む)の始発駅は難波駅です。
とは言う者の、年配の方なら知って居られるでしょうが、元々、その始発駅は上本町駅でした。
確か、昭和の中頃だったと思います。
路線が延長され、上本町駅から新たに日本橋駅と難波駅が増設されたのです。
それでもって、始発駅が難波駅に移りました。
前置きはこれくらいで~。
昭和48年、丁度オイルショックの頃です。
その年の春、F工業高校を卒業した僕は航空自衛隊に入隊して居ました。
新入隊員の教育課程を終えた僕が数日の休暇を貰い実家に戻って居た時の事です。
僕が入部していたF工業高校野球部の同学年数人が集まる事に成りました。
皆がそれぞれ就職をして社会人に成って居ました。
集合場所は難波駅に併設されていた地下街でした。
何故か僕は航空自衛隊の制服を着てそこに向いました。
集まって来た皆が僕の制服姿を見て、驚きを隠せずに居ました。
彼らだけでは有りません。
僕たちの傍を通り過ぎて行く人も、決まって、僕をジロジロ眺めて行きました。
殆どの人が航空自衛隊員の制服姿を見るのが初めてだった事でしょう。
『警察官でもなし、消防員でもなし、一体こいつは何者だ?』
と云う顔つきで在った事を覚えて居ます。
正直言って、周りの誰もが僕が自衛隊に入る事を訝って居ました。
先にも言った通り、オイルショック前で民間の景気も良く、
『なんで、自衛隊?』
と、口を揃えて言って居ましたが、その時に集まった野球部員は今度は前言を翻し、
『国家公務員とはええ按配やな』
と、これまた口を揃えて言うでは有りませんか。
勿論、僕に先見の明があった訳では有りません。
たまたま、僕が自衛隊に入隊して直ぐにオイルショックが起きたに過ぎません。
と、まぁ、難波駅辺りで、僕が制服姿をチラつかせ人目を集めた事を紹介しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます