第3話

ーーーーあれは5歳だった。

大事にしていたメダカが死んだ。ちゃんとお水も変えて、エサもあげて、毎日眺めて、寂しい時お話して。


蓮にも見せてあげたら、『可愛いね』って笑ってくれて、もっとメダカを大事にしようと思った。部屋で一緒に寝たいって言ったけど、生き物も動物も嫌いな母親が、庭に出しなさいと、メダカを部屋に入れる事を許してくれず、庭先に出してから眠った。


前の日まで元気メダカは、翌朝、浮かんでた。真っ白な目をして、こちらをうつろに呪うように。


ーーーーお前のせいだ。


そう責められてる気がして、心が灰色に染まった。それ以来、生き物も動物も苦手になった。上手に育てられないから。

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