薔薇色の人生になる奴なんか。

伶佳 零

第1話

薔薇色の人生になる奴なんか、とっとと灰になってしまえ。

私はその灰を瓶に入れて、その瓶を二度と目に入れないように、海に投げ捨てるのだ。


そんなことを夢見ている暇があるならば、私は一生自分の人生を憎むことしかできないだろう。

私は、文章を書くことしかできないのだ。文字を短歌にして思いをぶちまけ、文字をエッセイにして自分の生き様を喜劇に仕立て上げる。そうすることしかできないのだ。

あの頃の自分に戻れないことなんて、とうに解っている。勉強のできていた自分は、もうどこにもいないのだ。

ただ、今の私は、勉強という矛を失った代わりに、執筆という盾を手に入れた。執筆は、自分に自信を持つための道具では決してない。自分の身を守る道具なのだ。


自分に自信を持つための道具を失った私には、もう何もないと絶望する暇などない。

手に入れた盾をより強固なものにしていく必要がある。そのためには、書いて、書いて、書き続けるしかない。

こんな人生、まるごとエッセイにしてやろう。材料なんて、いくらでも転がっているじゃないか。

パソコンのタイプ音が心地良い。今日も、書いていこう。





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薔薇色の人生になる奴なんか。 伶佳 零 @reika_zeroro

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