第3話 回帰

確かに、僕はさっき首を切られた。

だけど、僕の目の前にはしっかりと転生直後の光景が広がっていた。


「これより、国王殺害の罪でノア・フォン・ブラックウッドの公開処刑を行う!!」

「「うおおおォォォォォォ!王様を殺した不届きものを殺せエエェぇぇぇぇぇ!!!」」


デジャブ、というにはできすぎた光景。

それに、僕の首にはまだ、首を切られた時の激痛が残っている。


だからこそ、僕は確証を得た。

先ほど唱えたあの呪文があったからこそ、「ノア」は「ノア」でいられたと。


「何か、言い残すことはあるか?」


またもや、同じ問いをかけられる。


あとは簡単、またあの呪文を唱えるだけだ。


《謌代?∵凾髢薙r謫阪k繧ゅ?縺ェ繧

謌代?∫ゥコ髢薙r謫阪k繧ゅ?縺ェ繧

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そうしてまた、僕は斬首され、処刑前に戻るのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



もう、何度このループを続けただろうか。

数えきれないほど、首を切られてきた。


最初はノアの秘密がわかって楽しかったからこそ、斬首の痛みに、何度も殺される精神的苦痛に耐えることができた。

だけど僕は今じゃもう、口を開くのも億劫なほどに疲労していた。


「何か、言い残すことはあるか?」


もう、何度も聞いた言葉。

そして、聞くたびに僕の精神に強い負荷がかかる、そんな言葉。


もし、本当に僕が何かの罪を犯していたとするならば、少しは精神的苦痛も弱かっただろう。

だけど、僕は何の罪も犯してはいない。罪など、犯したこともない。


「なにも、ないです」


静かに、言う


犯したことのない罪のために殺されるのは、もう疲れた。


だからこそ僕は、静かに振り落とされる、処刑者のその刃に身を委ねた。

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