第5話 別れ
明日で雅がこの世界に来て5日目だ。つまり元の世界に戻るという日だ。
最後の晩餐のリクエストはまさかの宅配ピザだった…。
俺はビール、雅はコークを片手にプロジェクターを使ってソファに座って映画を見ながらドコノピザの宅配ピザを食べた。
映画は洋画だったのだが雅は違和感なく見ていた。
「外国人は珍しくないの?」
「花魁の馴染みさんはほとんど
(黒船来航より後の時代なのかな…)
薄暗い部屋で映画を見ていると雅が俺を見つめているのに気が付いた。
「信二さんはぞっとしんす…」
「え?俺が怖い?」
「ふふふっ
「???」
何を言っているか分からなくてきょとんとする俺の胸に雅は手をそっと添えたかと思ったら唇をそっと重ねた。
「!!!だ!だめだって!」
「なぜでありんすか?」
「だ、だって雅はまだ15だろ?」
「もう15でありんす!もうすぐ突き出しでありんす!」
わっ!と雅は俺の胸に顔を押し付けて来た。
「誰かも分からぬ人でのうて信二さんに初めてをもらってほしゅうござりんす!」
そう言うのと同時に今度は俺を突き飛ばした。俺はその勢いで上半身がソファに横たわる形になる。雅はおれに跨って上半身を露わにした。俺の手を取ると雅の胸にと当てがった。
俺は触っちゃいけないと思っているのに!手は素直にその柔らかい肉に反応してしまっていた。雅は俺に覆いかぶさり唇を貪り食った。もうこうなってしまったら俺は欲望に抵抗なんてできなかった。
朝、二人の祭りの後が寝室にもあった。気持ちの良い気だるさがあった。横を見ると雅が気持ち良さそうに眠るその周りのシーツには血の小花が散っていた。
散らしてしまった…
痛かっただろうに…
健気に身をささげる雅を思い返し心が痛む。もし突き出しの時に初めてじゃないとバレたらどうなるんだろう…もっと痛い目にあってしまうのではないだろうか…帰したくない…
寝ている雅をぎゅっと抱きしめる。
「…おはようござりんす…」
チュッと俺にキスをしてニコッと笑う雅が目の前にいて…やっぱり俺は帰したくなくてギュッと子供のように雅を抱きしめる事しかできなかった。
雅は着た時と同じ着物に下駄を履いていた。頭には海で買った螺鈿の簪。
「ねぇ、ずっとここにいてよ」
無言で首を横に振る雅。
「わちきももちっとおりたいというのが
雅の頬につーと涙が流れた。俺はつい唇でそれをぬぐいそのまま唇へと押し付ける。
「ねぇ信二さん、女が苦しゅうない世界にしておくれなんし…誰もが美味しい物を食べて笑える世界にしておくんなんし…
いつの間にか俺の頬にも涙が伝っていて雅もそれを唇でぬぐってくれた。
ふふっとおでこタッチしながらお互いが見つめ合って笑っていたらどんどんと雅が薄くなっていった。
「待って!雅!行くな!まだダメだ!」
「信二さん、ほんに!女が親に売られないような世の中にしておくんなんし!
雅は消えた…消えてしまった…
そして…再会する…まさかの場所で…
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