第7話
「やっぱり、いつ見ても良い男!」
時枝ディレクターの後ろ姿を見送っていた日野さんが、目をキラキラさせながら腰をくねらせた。
ちなみに日野さんは、ゲイだ。
「ですねー」
「何、あいちゃんは興味ないわけ?」
「無くは無いですけど…私にはちょっとまだ大人の魅力が、分からないだけですよ」
「何言ってんの?男は30歳越えてからでしょ?お子ちゃまな男に何の魅力があるっていうの?」
「はぁー…そういうものですかね?」
「あいちゃんってもう、24歳でしょ?十分大人の魅力が分かって良い歳してるくせに」
「それが、ついこの前も時枝ディレクターに、中身が年齢に追いついてないと言われました」
取材先の帰りにふと言われた言葉を思い出しながらそう愚痴ると、日野さんはお腹を抱えて笑った。
「あはは!あの人そういうこと平気で言うよね。でも、そういうところも魅力の1つなんだよなぁ」
「そんなもんですかねぇ…」
日野さんの時枝ディレクター贔屓は、今に始まったことじゃない。
現に彼の中では、厳しい=真面目、冷徹=冷静、妥協を知らない=どこまでも真っ直ぐな人。という風に変換されているのだから。
ああ見えて、実は某アニメのフィギュアを集める趣味があるってこと。それを知っても、可愛いお茶目な1面だと笑うんだろうなぁ。
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