第48話 長い戦い

グリーンランドにあるログハウス内で、アメリカ出身の世界最強と言われている能力者と、かれこれ20分以上も戦っている。

これほど長時間タイマンで、戦闘をし続けたのは初めてだ。


対集団戦闘ならダンジョン攻略で一日中戦闘をしたり、スタンピードが異世界を襲った時に、何日も寝ずに城壁に迫り来る魔物を、倒し続けた事はあったが、俺が強くなる度に、それでも戦闘時間は短くなっていった。


記憶に無い戦闘もあるから全てじゃ無いが、タイマンなら今は基本的には、高出力の魔法を放って一撃で倒すか、相手のスキルやステータスを無くして無力化してしまうので、タイマンでは戦闘らしい戦闘にはならない。


これだけ戦闘が長引いているのは、青年のステータスはモザイクで鑑定出来ないから、ステータスを変えられないし、攻撃が当たらないからだ。


ただ戦闘は長引いているが、俺自身は青年との戦闘を楽しめている。

普段は周囲を破壊してしまうから、使えない魔法や、自重している本気の殴りを出来る快感が、戦闘を楽しめている理由だ。


そう、普通なら青年に効かないでも、俺の本気の魔法や殴りは、周りを破壊して、下手すると地球も壊してしまう。


この俺と青年が戦っているログハウスは、壊れない。

多分青年か、青年の妹の少女のスキルか、他の人のスキルか。

誰かのスキルなんだろうが、物凄く硬い。

入口の扉から外には出られるので、閉じ込められている訳じゃ無いけど、凄いスキルだと思う。


空間魔法のアイテムボックスに近い感じかな。

アイテムボックスは、亜空間ゲートで外へ出たり、黒魔法のブラックホールで壊したり、火魔法の超高温で外壁を破壊できる。

他にも破壊する方法はあって、亜空間ゲート以外の脱出は、中に入っている物や人が、タダでは済まないから脱出方法としては、使い辛いけど。


ログハウスは俺が放った、超高温の火魔法でも、壁は煤けて黒くなったが、壊れはしなかった。

少し迷ったが、黒魔法のブラックホールを使ってみる、地球で使うと思わなかったけど、使っても重力の重みでログハウスが消えなかった。

他にもヤバい攻撃で、火魔法でログハウス内の空気を消したり何千万度の高温にしたり、毒魔法で放射線を放って、中を放射能塗れにしてみた。


扉が閉まったログハウスは全く壊れなかったし、建物の外には影響が無かった。

そして、青年もダメージが無く、何をしても死ななかった。


世界最強は伊達じゃ無いな。

青年なら神と言われる管理者とも、戦えそうだ。


北海道で俺を襲ってきた破壊者の外国人は、国を相手に戦えるだけの強さはあったけど、神を相手にするなら弱いよなぁ、と思っていた。


その点、目の前の青年は何故、俺の攻撃が当たらないか分からないけど、攻撃で死なない強さがある。


こんなに強い青年なのに、俺が攻撃する度に避けようとしたり、何とか防ごうと魔法を使ってくる。

防ごうとしても俺の素早い攻撃は避けられないし、高魔力の魔法は防げず殆ど喰らっている。

当たらないのでダメージは無いはずだが。


俺の攻撃は青年に当たらないんだが、彼は攻撃されるのを嫌がっている。


青年は俺に真正面から、見えない何かで攻撃をすると、反射されて青年がダメージを喰らうので、反射されない方向から攻撃したりして、何とか俺を倒そうとしている。

色々と考えて攻撃してくるなぁ。

闇雲に攻撃して来ないのは、青年の魔力?MP?使えるキャパに限界があるからだろうな。


俺は魔力が枯渇する事は無いので、眠るのを我慢すれば1年以上は戦い続けられる。


戦闘を始めてから、18時間以上経った。


何度か青年は自分の放った見えない何かを、反射された攻撃で、負傷して回復魔法で治している。

俺は色々な魔法や肉弾戦を使い続けて、青年を攻撃した。


青年の額から流れている汗の量は、凄いことになっている。

俺は全く手応えが無く、むしろ俺の方がどうしたら良いか困っているのに、青年の顔を見ると追い詰められている顔をしていた。


このログハウス内から出て、戦闘を一度したが、外に出ても青年に攻撃が当たらなかったので、全力を出せるログハウス内で戦いを継続している。


埒が明かないな。

もう一回ログハウスの外へ出て、青年が追いかけて来たら、限界まで温度を下げて氷に閉じ込めてみるか。

多分効かないだろうけど。



そう思って外に出たら、変化に気付いた。

青年の焦る理由はこれなのかな?

俺を追って、ログハウスの外へ出て来た青年に話しかける。


俺の翻訳して語りかけた質問に青年は、答えることも出来ずに、俺の目を見て、焦っていた。

いや怯えている。

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