3.

「ただいま」

「おかえりー」


 家に帰ると、姉がテレビを見ながら声だけで出迎えた。

 俺は冷えた宇治の緑茶をコップに注ぐと、ソファーの上に荷物を置いて姉の横にボフッと座る。


「ばあちゃんは?」

「百円喫茶だって。もうすぐ帰ってくると思う」

「もうそんな時間か」


 友人も多い祖母にとって重要な交流の場である。毎週火曜日と金曜日、三時頃に出かけて暗くなる少し前には帰ってくる。自分で日時と時間を見て行けるうちは認知症も大丈夫だろうと勝手に思っているが、実際のところは分からない。


 テレビでは昨日のバラエティ番組の録画が流れていた。見覚えはあるが芸名は分からない芸人の漫才が披露され、テレビの中では笑い声が響いているが、面白さはイマイチ分からなかった。


 カチ、カチと鳴る時計。夕暮れの朱い日差しがカーテンの隙間から差し込み揺れる。


「姉ちゃんてさ、民俗学専攻じゃんか」

「んー、そうだけど」

「なんで水墨画、始めたの?」

「え?」


 姉は姿勢を正すと、少し驚いたように俺を見た。チクチクと水墨画なんかやめろと言い続けてきた俺が今さらそんな話をするのだから、驚かれるのも仕方がない。


「ひろむさ、何か企んでる?いきなり小林さんに会いに行ったり、そんなこと聞いてきたりさ」

「別に。興味だよ」


 本当に、ただの好奇心だ。

 姉は体重の全てをソファーの背もたれに預けると、眉間にしわを寄せながら単語一つ一つを選ぶように言葉を練り出す。


「画はさ、写真とか文字とかと違って、膨大な情報の中から画家自身が伝えたいことのみが残されて、誇張されるの。特に水墨画は色が無い分、作者自身の感性が生かされる。だから水墨画はただ失われた過去の世界ではなくて、模写や写真からは伝わりにくい、画家自身から見た世界を知ることができると思うんだよね。過去の世界を知るのは歴史学者の仕事で、私たちは民俗学者。民俗学は、人が見た世界を知る学問だよ」


 そう語る姉の瞳は一点を確かに捉えて、揺れの一つも無かった。


 今思えば、俺は姉とこういう話をしたことがなかった。真面目に向き合おうと思い立つのは、いつもすべてが終わった後である。それが後悔ということなのだろう。


 しばらくの沈黙の後、玄関の扉が開く音がした。


「ただいま」

「おかえり、ばあちゃん。すぐ夕飯つくるね」

「ありがとうねぇ」


 俺はソファーから立つと、キッチンに向かって夕食を作ることにした。


 肉じゃがを作ってリビングに戻ると、祖母は椅子に座ったまま眠っていた。姉の姿はそこにはなく、少し焦りながら自分の自室を覗きに行けば、姉は人のベッドの上で悠々と眠っていた。姉の静かな寝息がエアコンの音に掻き乱されながら部屋の中を回っている。空気の循環のために少しだけ開けていたバルコニーから入ってきたヒグラシの音。八時頃から窓からは五山の送り火が見えるだろう。家から見える送り火の種類は『大』の文字。去年の盆は忙しく送り火は見れていない。

 思い出したりと色々と思案するところでぐう、と腹の虫が鳴った。


「姉ちゃん起きて。ご飯食べよ」


 そう声を掛けるも、姉は疲れているのか起きてこない。俺のベッドを占領して眠ったままだ。だらしなく腹を出し、涎も垂らして人の枕を汚している。俺は枕を抜き取ると、適当にタオルを持ってきて姉の頭の下に引いた。

 ふにゃっと笑っていて幸せそうだが、今の顔はなんだか少し勿体ない。美人なのは変わりないが、高嶺の花ではない。公園とかの花壇に植えられた手が届く花である。


「だらしねぇな…」


 これほど気持ちよさそうに眠っている人を起こすのはなんだか申し訳なく思えた。起こすのは諦めてベッドを背もたれに床に座り、いつ起きるのかとベッドに頭の重さを委ねて姉を眺める。目と鼻の先に姉の顔がある。無意識に視線を感じ取ったのか、それともただの気まぐれか、姉は顔をしかめると寝返りを打って反対側を向いてしまった。代わりに視界に入った小さな後頭では、簪が崩れかけた髪を必死に纏めていた。

 なんとなくだ。たぶん、今にもほどけてしまいそうなボサボサの髪が煩わしかったんだと思う。俺は気づけば姉の頭に刺さった水墨の絵が閉じ込められた硝子のついた玉簪に手を伸ばし、スッと頭から抜いていた。玉簪には銀色の、これも硝子でできた飾りがぶら下がっていて、チャラチャラと山の沸き水が岩のわずかな間を流れていくような音がした。

 パサリと落ちた猫の毛みたいな柔らかい癖毛。漆黒の艶は上品で上質な絹のよう。体のどこかには必ず絆創膏を貼っていたようなやんちゃな姿はもうどこにもない。

 姉の存在は、今も昔も俺にとって何よりも大きいもので変わりはない。ずっと近いようで遠かった。強くて凛々しくて優しくて、羨ましくて妬ましくて、憎いけど憎めない、いや、憎ませないような、そんな強烈な光を放っていた。

 これから、姉の怒涛にして華麗な物語はさらに拍子がかかって、後世に残る素晴らしい英雄譚へとなるだろう、と。俺はそれを誰よりも近くで見れる。それで満足していた。


 姉の静かな寝息は、いつの間にか暗くなった夏の夜の空気に溶けるように消えていった。

 俺はふと、手に握った簪に目線を落とす。


「どうしよう、これ」


 何気なく引っこ抜いてしまったが、簪の使い方など、生まれたこのかた二十年以上肩より長く髪を伸ばしたことのない俺には分かるはずもない。


「…眠いな」


 ベッドに体重を委ねていたせいか、溜まっていた眠気が一気にやって来る。まぶたが重い。

 簪をどうするか考えているうちに、俺の意識は溶けていた。



○○○



 ほんのり温かく心地よい風が、開けたままの窓から入り込んで、縁側のカーテンを揺らす。縁側から楽しめる父方の祖父の自慢の庭は、一つの観光地と言われても遜色ないつくりをしている。桃色のツツジの垣根の奥で咲く大輪の椿は間違いなく庭の主役。庭の小池は陽の光を反射して、天井に水の波紋を映し出していた。


 俺はこれと全く同じ景色を見たことがある。今は夏のはずで、目の前の景色は明らかな春だった。だからこれはきっと夢なのだろう。だが意識はあれど好きに動けるわけでも言葉を発せられるわけでもなく、どうやら過去の記憶の再生を見ているらしかった。


 “俺”は一番奥の和室に向かい、ぴしゃりと襖を開けた。


「もうやめろって言ってるだろ、絵を描くのは」


 眉を潜めて見下ろす先には、墨にまみれた姉がいた。大量の紙と画材で部屋は埋め尽くされ、足の踏み場もなく、姉が今どれを描いているのかも分からない。


「何をしようと私の勝手でしょ。もうすぐ完成するんだから」


 姉は手を止めることもなく、筆を動かす。だが一筆動かすたびに咳き込んでは肩で息をし、笛が鳴るような息音をか細く鳴らす。

 本来なら病室で眠っているべきなのだ。それを断ってまでして姉は絵を描いている。


「そんなことより、叔父さんから聞いたよ。医者になるの?」

「うん、まあ…」

「うそ、嫌がってたじゃん」

「…嫌じゃなくなったんだよ。俺が何になろうと勝手だろ」


 姉には俺の考えていることが見えているのだろうか。そう考えざる得ないほどに、よりにもよって一番聞かれたくなかった質問を投げかけてくる。

 “俺”は目を逸らして、それを誤魔化すように手に持っていた大福を机の上に置いた。

 兄妹は、家族の中でも最も近い存在だ。だからこそ言わないことも、言えないこともあるというものなのだ。地雷とも言えるそれに踏み込まれかけ、“俺”は飛び出そうになった言葉を拳に握り締めて踵を返す。


「勉強あるし、もう戻るぞ」

「待ってよ、ひろむ」

「なに?」

「ひろむも、ひろむの好きに生きていいんだからね」

「…ッ誰の――」


 誰のせいで。


 そう言いかけて、“俺”はハッとなって口を閉じた。奥歯を噛み締め、これ以上余計なことを言う前に、部屋を出た。

 本来目移りするはずの鮮やかな庭にも目もくれず、姉の部屋とは反対側の部屋まで逃げるように立ち去った。姉が今どんな顔をしているのか、振り返る余裕も、そんなことを想像する余裕もない。

 姉が自由に生きるから、俺は医者にならざるを得なかった。俺だって医者なんかになりたくなかった。勉強は苦手だし、血すら怖くて見れなかった。なのに姉は俺にすべてを押し付けて好きなことをして、それで大成した。そんな姉が羨ましかったし、憎かった。だがどうしても、心の底から嫌いになることはできなかった。

 だから言わなかった。言えなかった。ずっと言いたいことは我慢して、姉を信じることにしていた。 医者になると決めたのも、姉の病気を治すため。俺の嫉妬も尊敬も過去も未来も、すべては姉と言う存在に囚われていると言っても過言じゃない。その自覚もあるのだ。

 だがそれでも良かった。

 『姉の病気は俺が治す』それは俺が決めたことに違いはない。親戚からの圧力で渋々医者になるよりはずっと意味があるように感じられた。突き放せないなら受け入れるほうがよい。


 そんな『俺』を現実に突き落とした突然の姉の死の連絡は、それから七日後の早朝だった。



○○○



 頭を撫でられている感覚で、目が覚めた。

 どうやら俺は昔の夢を見ていたらしい。正直、思い出したくもない会話だった。あのあと俺は一度も姉と言葉を交わさず終わってしまった。だからあと一度だけ話したいと思っていた。

 白のカーテンがバルコニーから流れ込む風にゆらゆらと揺られているのが涼し気で、夏の終わりが近くなっていることを表しているかのようだ。

 浅い思考の中、姉の長い髪が視界に映る。俺が簪を取ってしまったから、髪は下ろされたままだった。姉はいつになく静かだった。いつも真夏の太陽みたいに主張激しく騒がしい姉は、たまに月みたいに静かになる。


「ひろむはさ、もう私なんかに囚われないで、好きにに生きていいんだよ」


 言いたくて、ずっと言えなかったことがある。

 記憶と同じ言葉を言われ、俺は溢れる涙と言葉を止めることができなかった。


「…誰のせいだよ。姉ちゃんが医者にならないから、俺は医者になるしかなかったんだぞ!好きに生きろなんてよく言える。姉ちゃんが病気って分かったからは俺もそれを治すために頑張れたけど、結局死んじゃったじゃないか。俺は何もできなかったんだよ。そんな俺に、今更どうやって生きろって言うんだよ!?」


 俺なら姉の病気を治せたかもしれないのに。

 残された俺にできることは、自分なら姉の病を治せることを証明し、姉に謝りに行くことだった。

 人は何か役目を持って生まれてくるものだと思っている。俺の役目は姉の病気を治すことで、俺がしくじったのだと信じたかった。そうでなければ、姉のような人が死ぬことなど受け入れられられるはずもなかった。

 止まらない生ぬるい涙が視界をにじませ、邪魔で仕方がなかった。ぼやけた視界では、かろうじて五山の送り火の淡い朱色がゆらゆらと揺れ始めたのが見えていた。

 姉の顔は見えない。だが、姉も泣いているように見えた。


「違うよひろむ、私の病気は治るものじゃなかったんだよ。ひろむのせいじゃないし、誰のせいでもない。ひろむが私のせいで苦しんでるのも、泣きながら頑張ってるのもちゃんと見てたし、申し訳なかったと思ってる。でも、そんなひろむがいつも隣にいてくれたから、私は私のために生きられた。世界がどれだけ綺麗なのかを知ることができたんだよ」


 わがままで勝手な言葉だ。だが俺も姉の絵から姉が見ていた世界を見させてもらった。世界の見方も教えてもらえた。だからこそその言葉が、俺への励ましでも同情でもない本当のことであるのはすぐに分かった。


「じゃあ、俺は何をすべきなんだよ。俺の役目が姉ちゃんの病気を治すことじゃなかったなら、俺はどう生きればいい?」

「小林さんが言ってたんだけど、人が生まれて生きていく理由なんてないんだって。生き物はすべて、目的なく生まれて、生きたいように生きていく。そうして生きぬいた結果に、周りの人が、その人の生きた意味を持たせるだけなんだって。だから本人は今を一生懸命生きればそれでいいんだよ。人生そのものが誰かに必ず影響を与えてるんだから、あえて誰かのために生きようとしなくてもいい。だから私は自分のために生きることにしたの。結果的に、ひろむを苦しめちゃってたのは本当にごめんなさい。でも今度はひろむの番。私が支える。私はひろむに、自分のために生きてほしい」


 涙がこぼれ落ち、姉の顔が顕になった。

 眩しく優しい姉の笑顔。俺はその顔を、初めてまっすぐ見れた気がした。

 俺は喉の奥から湧き出る涙を飲み込めず、喉を鳴らして嗚咽を上げることしかできなかった。


 姉は立ち上がると、バルコニーに向かって歩き出す。

 俺はまだなにも言えていない。俺が本当に言いたかったのは文句じゃない。言いたいことは何も言えず見送るのはもう嫌だった。今度こそもう、会えない。そう考えるだけで体が尋常でないほどに熱くなった。


「もう、会えないの…?」


 姉ははっと振り返る。うんともいいえともいわず、姉はただ微笑んだ。


「ずっと見てるから。久しぶりに会えて楽しかった」

「…うん、俺も」

「正月とかしか帰省してないみたいだけど、もっと家に帰って母さんたちと居てあげて。結構寂しがってんだから。それで帰ったら毎回ちゃんとミルク饅頭を持ってくることね!私はイチゴ派だからね!」

「うん…」


 ビシッと親指を立ててニッと歯を見せて笑う姉は、泣きそうなのにそれを隠そうとするときのそれだった。


「元気でね。またね」

「姉ちゃん」

「ん?」


 溢れ出るものを必死に抑えながら俺は真っ直ぐ姉の顔を見る。


「ありがとう」

「こちらこそ」


 姉はニカッと笑うと、そのままバルコニーに出て姿を消した。



○○○



 また目が覚めた。頭を触る優しい手に驚いて慌てて起き上がると、横には祖母が座っていた。


「ばあちゃん…」

「なあに?」

「姉ちゃんが――いや、その…」

「あらまあ、大丈夫よ」


 ぼろぼろと涙をこぼす俺を、祖母は優しく撫でてくれた。

 あれは夢だったのだろうか。分からない。だが心はずっと軽く、俺の中で絡まっていた何かが解けたのは違いなかった。それを解いたのは姉であるのも間違いない。


「ほら送り火を御覧なさい。ここからならよく見えるでしょう?帰ってきてくださったご先祖様を、ちゃんとお見送りしないとね。ありがとうございますって」

「うん…」

「夢でね、圭一さんに怒られちゃったのよ、私。いつまで引きずってるんだって。ちゃんと見ろ、いずれ迎えに行くからその時に私が見た綺麗な景色を教えてくれって。目を覚ましたらお父さんはいなかったけど、窓から見る送り火がとても綺麗で。ああ、私まだ死ねないなって思ったわ」


 俺は力なくバルコニーに出て、消えかけた送り火をぼうと眺める。綺麗だった。初めて見るものではないのに、初めて見た時よりずっと澄んでいて美しく鮮やかに見えた気がした。


 そして俺は呆然と立ち尽くすしかなかった。分かってる。姉はもうのだ。だからやはりあれは夏の長い夢かなにかだったのだろうか。そう思った矢先ふとベッドを見れば、そこには簪についていた硝子の飾り片が落ちていて、左ポケットにはミルク饅頭の包装が入っていた。


「ああ…」


 未だに頬を伝う涙は、送り火のえんじ色の陽炎に照らされて輝いていた。


 昼間の蝉に変わって、人が行き交う音がする。八月十六日の五山の送り火。それを見るために全国から京都に人が集まり、死者は朱く燃え上がる火に仰がれて彼岸への帰路につくのだ。



○○○


 山に木霊し村全体に響き渡るツクツクボウシの声が、夏の終わりを示していた。八月末。夕立が過ぎたあとなのか、地面はわずかに湿っていた。盆が終われば秋が来るというが、全くその通りで、随分と涼しくなっていた。

 すぅっと大きく息を吸えば、懐かしい田んぼの泥の匂いがした。少しずつ大きくなってしなり始めた稲の穂先が、通り抜ける風の形を表していた。

 持ってきた立派な白菊と樒を挿し、蝋燭と線香に火をつけた。


「姉ちゃん、持ってきたよ。イチゴ大福と、新作のメロンミルク饅頭だって。これ美味いよ」


 そこにいる姉に語りかけるように、昨年と同様に置かれたミルク饅頭の横に並べておく。


 盆東風に線香がゆらりと揺れた。


「俺さ、あのあと、姉ちゃんの絵を見てきたんだ。綺麗だったよ、本当に。姉ちゃんが見てた世界も、少しだけだけど見えた気がする。俺も、姉ちゃんみたいに生きられるかなぁ」


 もう呪いなんかじゃない。嫉妬も憧れも、きっと姉が持って帰ってくれたのだろう。ただひとつ、この絵を、姉の世界を、残してくれてありがとうと、そう伝えたかった。


「いろいろ考えたけど、やっぱり俺は医者にはなろうと思う。姉ちゃんのためとか、みんなに言われるからとか、もうそういう理由じゃない。俺は姉ちゃんに世界の見方を、世界の美しさを教えてもらえて、生きる意味を見つけられた。だから俺も、人にも生きる意味に気づいてもらいたいと思ったんだ」


 姉は本来人に生きる理由はなく、生きた意味を周りがあと付けするものだと言っていたが、俺はその人が今を生きる生きる意味というものもあると思う。


 俺はしゃがんで手を合わせ、墓標の肩に水をかけた。

 姉の姿が、ふと脳裏に浮かんで満足そうに温かく微笑んだ。


「会いに来てくれてありがとう。また、来るよ」


 俺は秋の香りがする田んぼを前に、ペトリコール漂うツクツクボウシが鳴く山裾の墓を後にした。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

盆灯に眠る想い 七雲蓮 @akauri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ