僕だけの君、君だけの僕

アライグマ

プロローグ

佐倉サクラ 千歳チトセ23歳独身男。

高校生のときに両親を亡くして、大学に行かないまま就職。


高校生の頃にアルバイトをしていた飲食店で働いていたときの常連さんがたまたま大手会社の社長で僕を気に入ってくれたご縁で普通なら大卒以上からじゃないと入社試験すら受けられないのに面接のみで合格になった。

同級生にも将来は安泰だと羨ましがられた。


失敗するかもしれない。怒られたりもきっとするだろう。

だけど、受けた恩は必ず返すんだ。

そして天国にいる父と母にも安心してもらえるように立派な人間になる。


働いて給料を貰ったら、これまで我慢していたゲームやったり、たまに旅行行ったりなんかして、ドライブデートしたり、記念日にはちょっと豪華なディナーをしたりなんかしちゃって。


結婚して、子供ができて、出世して部下に頼られたりして……

そんな誰もが望む幸せが欲しかっただけなのに。


今、僕の前には帰りに寄ったホームセンターで買ったロープがぶら下がっていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る