第2話

「ちょっと聞いてよ、ふとっちゃぁん」


「なんだよ聞いてるだろ、さっきから」


「剛ったら、ひどいの」


「はいはいお前の彼氏はいつも酷いだろ、大将マッコリ追加ね」


「いつもは言い過ぎ! 今回の彼氏は優しかったもん。大将こっちにも焼酎お湯割り追加、あと梅干しも」


「てめ、人の金だと思って贅沢するなよ」


「はぁ? 梅干しくらいでケチケチしないでよねぇ」


「そこじゃねぇよ、何杯飲む気だよ」




はぁーぁって溜息を吐いてると、「相変わらず仲良しだねぇ」って大将がジョッキを2つテーブルに勢いよく置く。


それでなくてもテーブルは足の長さが合わなくてガタガタなのに、はずみで焼酎お湯割りが零れた。




「あぁああああ、私のお湯割りがあああ」


「おいジョッキ舐めてんじゃねぇよ、行儀悪い」


「だって、勿体ないもぉーん」


「テーブルに指文字で好きとか書くなよ、きめぇ」


「でへへへ」


「重症かよ」


「わーい」


「褒めてねぇ」

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