第05話 咲楽子先輩と令和の米騒動(2)

 段ボール箱の中身は……。

 お米、十キロ。

 キャベツ二玉、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、ピーマンが数個。

 それらが段ボール箱隅々にまでぎっちり。

 これは重いわけだ。

 あっと……まだなにかある。

 タナカのふりかけミニパック、六種三十袋入り……。

 うわ~、久々に見た。

 実家にはいつもあったけれど自分で買ったことないから、一人暮らし始めてから初見。

 でもこのお野菜のラインアップ的に、お米へかけるのはふりかけじゃなくて、やっぱりカレーかな。

 とりあえず、お母さんにお礼のLINEを……。


 ──ピロロンッ♪


 わっ、アプリ起動と同時にメッセージ。

 えっと……咲楽子さんから。


『なっちゃんち、お米入荷したんだって!?』


 ……情報の入手が速い。

 美冬さん経由だ。

 これじゃあわたしのほうが監視対象、アハハ……。

 とりあえず、「YES!」のふきだしがついたウサちゃんスタンプ送信──。


『今度お礼するから、あとで一合いちごう食べさせて! 値上げのせいで美冬がお米買ってくれないのっ!』


 うんうん、高い高い。

 実家にいたころは五キロが特売で二千円くらいだったけれど、たった一年で三千円切らなくなったから。

 あとやっぱり、家計は美冬さんが管理してるんだ。


『了解です。一合炊いて保温してますから、いつでもどうぞ』

『ありがとっ! 美冬がお風呂入ったら来るね!』


 「LOVE!」のふきだしがついたブタちゃんのスタンプが来て、会話は一旦終了。

 んー……一合かぁ。

 たまには咲楽子さんと一緒に食べたいから、炊くなら一・五合。

 それから、おかずは……っと。

 さすがの咲楽子さんも、白米オンリーもりもりはいかないよね。

 断言はできないけれど……。

 うん、やっぱりカレー作ろう!

 カレーライスの千切りキャベツ添え。

 そうと決まれば、さっそく豚肉買いに出発!

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