第2話
……なんて!!
今は尊大なテーマについて考えている暇はなく。
「待て!」
わたしは、わたしを執拗に追いかけてくる人たちから逃げるのに必死だ。
「何処行った?」
「この角を曲がったのは確かだぜ」
「ちくしょう、逃げ足の速いクソガキだ」
「お前ら、今日中にあのお嬢さんの写真を押さえないとクビだぞ」
…………はぁ、はぁ、はぁ、
冷たいコンクリートに頬を寄せ息を殺して足音が通り過ぎるのを待つ。
どうにかやり過ごせた……?
必死で押さえていた呼吸を吐き出すと、同時に怒りがこみ上げてくる。
大の大人の男が4人。
女子高生相手に必死になってんじゃないよ。
何がクビだよ、知るか!そんなもん。
あの人たちには、他にスクープがないの?
灰色の壁からそっと頬を離し、小さな舌打ちをする。
……っつ、痛。
急に肘に痛みを感じて目で確認すると、擦りむいて血が滲んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます