第2話

……なんて!!

今は尊大なテーマについて考えている暇はなく。





「待て!」




わたしは、わたしを執拗に追いかけてくる人たちから逃げるのに必死だ。




「何処行った?」


「この角を曲がったのは確かだぜ」


「ちくしょう、逃げ足の速いクソガキだ」


「お前ら、今日中にあのお嬢さんの写真を押さえないとクビだぞ」





…………はぁ、はぁ、はぁ、




冷たいコンクリートに頬を寄せ息を殺して足音が通り過ぎるのを待つ。



どうにかやり過ごせた……?



必死で押さえていた呼吸を吐き出すと、同時に怒りがこみ上げてくる。



大の大人の男が4人。

女子高生相手に必死になってんじゃないよ。

何がクビだよ、知るか!そんなもん。



あの人たちには、他にスクープがないの?



灰色の壁からそっと頬を離し、小さな舌打ちをする。



……っつ、痛。

急に肘に痛みを感じて目で確認すると、擦りむいて血が滲んでいた。

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