第16話 未来少年コナン! もう本当に好きです!
コナン、3回目です!
前回は、搭乗人物、それもコナンとラナの二人について触れました。もう、本当に理想のカップルで、彼らのその後が描かれているのなら、どんなものでも欲しいと感じるレベルでした。
今回は、メカについてですが、本編をご覧の方は、おそらく同じ感想をお持ちではないかと思いますが・・・・初見の時は、なんとも微妙なメカデザインに見えてしまうんですね。
衝撃的だったのは、フライングマシーン(1号機? 試作機?)です。
当時使っていた「イヤホン」そのまんまの形で、正直最初は・・・・かっこ悪いなあ、と思っていました。
しかし、このアニメの凄いところは、設定を練り込んだ後に、とにかく丁寧に描く手法で、反重力装置なんて、本当に将来出来るのでは、なんて思えるほどに未来感凄まじいいメカでした。
なんならもう、実物大作ってしまおうかって考えるほど、好きになってしまいました。描写の中で好きだったのが、故障していて、本来の性能が発揮できていない、と言う部分です。
そのため、反重力装置が完全に作用せず、登場当初は高度を高く維持できず、ずっと低空飛行でゆっくりしか飛べません。その故障個所を修理するために、中古の部品を探しに敵の総本山であるインダストリアの地下へと向かいます。
この時、既に故障個所は限界に達し、もう上昇することが出来なくなってしまい、フライングマシーンはゆっくりと下降するだけの機械と化します。
ラオ博士とコナン、ラナの3人(ここに処刑されかけていたところを助けたダイスも)は、部品を見つけ出さなければ二度と地上へ出ることが出来ない片道切符状態となってしまいます。もう、本当にニクイ演出だな、と思いつつ、あの地下構造はエキサイティングしました。
文明が滅びかけている破壊された地下構造は、とても暗く危険が沢山で、どの場面も一か八かのギリギリ!
はあ、もう、書いていて溜息が出てきます。
そんなフライングマシーン、ラオ博士は2008年の大災厄の時代に多くの人を救うために、大型の機体を別に製作していたのです。
この機体で救われた人々によって作られた村が、ハイハーバーとなります。
一面の麦畑、豊かな自然、インダストリアとは対照的な村。
この村にある魚の養殖場にひっそりと役目を終えた状態で放置されていたのが、フライングマシーン2号です。
飛行方式は1号のイヤホン型と同じで、反重力的なもののため翼と揚力によるものではありません。
そのため、スタイリッシュなUFOみたいな形状で、コナンの世界観にあって恐らくは唯一の流線形航空機と言えます。
そして、その機体内にはマイクロバスのように座席があって、操縦席が別室で独立した作り。中には超小型のキッチンまであって、飛行中にラナが食事を出すシーン、もう痺れました!
コンパクトにまとまったキッチンや居住スペースの発想は、私の心に変な火を灯します。
「巨神ゴーグ」に出てきたキャリアビーグルの時にも触れましたが、私のキャンピングカー魂に火を着けた要素の一つになっています。
登場シーンは少ないものの、もうここまで来るとオシャレです。発想が可愛くて、小さくまとめることの魅力に取りつかれました。
今でもキャンプグッズに小ささを求める習慣は、この時植え付けられたのだと思います。
思えば、天空の城ラピュタでも、パズーがカバンから色々出してシータが喜ぶシーンって、キャンパーにとって憧れのシーンです。
ちなみに、あのパズーのランプって実在していて、本物は恐ろしく重いんですよね。(シブいなあ・・)
そんなこんなで、おじさんになった現在でも、小さく調理するロマンに取りつかれっぱなしで、単身赴任中の現在も、キャンプでもないのに一人でキャンプ飯作ってほっこりしている有様。御蔭でだいぶ上手にいなりました・・・・手抜き料理が!(笑)。
そんなカッコ悪いのにカッコいいメカの中で、もう一つ絶対に触れなければならない機体、それがファルコです。
元々は海洋観測用の機体と言う設定のようですが、インダストリアで唯一飛行可能な機体、と言う設定でした。そのためカラーリングも黄色とオレンジが主体で、いかにも観測機と言った飛行艇です。
この世界は、化石燃料が存在しないため、全て動力はエネルギー(電力?)ですので、エネルギーが入手できる間は使用可能と言う設定も感慨深いものでした。
実際のシーンをご覧いただければ解ると思いますが、とにかく空を飛ぶ飛行機のくせに、形状はむしろヘリコプターのようで、ハッチなんて前方が開いてしまう謎構造。岡田斗司夫さんのYouTubeでは、この構造はヒロインのラナがコナンを想って空を眺めるために作られたと言っていましたが、もう凡人には理解不能な思考過程です。
そして、この前部ハッチがまた物語の中で良い仕事をするのです。
先ほど、インダストリアで唯一飛行可能な、と言いましたが、世界を滅ぼした超磁力兵器を使用可能な最後の機体「ギガント」は例外で、機体は存在していても飛ばすエネルギーが無いため、地下に格納されていた、と言う状況でした。
もっとも、このラナを誘拐して.までして、インダストリアが欲していたものは、このギガントを飛ばすエネルギーであって、それを得る方法を知っている唯一の人物がラオ博士、そして、その行方不明のラオ博士とテレパシーで会話が出来るのが孫のラナ、と言う・・・・もう! イイ! ほんとによく26話にまとめましたね!
で、結局平和利用のためにラオ博士は最後の太陽エネルギーをインダストリアへ提供しますが、ギガントの復活を企むレプカによって、エネルギーが奪取され、問題のギガントに注入されてしまいます。
こうしてアニメ史に残る「ギガント発進」シーンが生まれるのです。
超巨大な質量の乗り物が空へ舞い上がる、と言う描写は、もうこの時代多くのアニメで取り入れられていました。
特に、宇宙戦艦ヤマトのように、簡単に浮上せず、最初の浮上だけでほとんど1話丸ごと使うような丁寧な描写が出来ていた日本のアニメ界にあって、きっと苦悩してこのシーンは完成したのだと思います。
こうして、この時点でギガントを止めることが出来る航空機は、先ほどのファルコだけになっていましたので、当然主人公一行はこれを使用してギガントに乗り込むのですが、この描写も、まあ良く出来ていて、機銃掃射の中をギガントの胴体めがけて強硬突撃してしまう時にも、この飛行艇のヘリコプターのような形状がとても役に立ちます。
このギガントは、本来大気圏外へ抜けて、宇宙から地上を攻撃できる仕組みになっていて、この辺が後の「ラピュタ」へと繋がって行ったように思えます。
これも良く言われる事ですが、ラピュタのムスカと、コナンのレプカは、ほとんどコンセプトが同じに見えます。
宮崎監督が、まだラピュタもナウシカも構想段階の時代、全力で取り組んだ作品「コナン」、そこには宮崎ワールドのエッセンスがもうこれでもか、と言うほどに詰まったものでした。
本当であれば、もっと書きたいくらいですが、日本のアニメーションはこの時代、ガンダムを生み、ベルサイユのばらを生み、宇宙戦艦ヤマトを伝説へと押し上げて行く過渡期です。
飛躍の70年代を終えたアニメ業界は、更なる飛躍へと80年代を迎えることとなります。
そして、まだまだ名作は排出され続けるのです。
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