皇帝と自宅警備員

 歴史を勉強すると、古代から中世の皇帝や王でも今の人よりもそれほど贅沢していないんだなと感じた。江戸時代の徳川将軍の人も中には凶作になると自らおかず一品にするとか自粛し、民の労苦を身に受けていた。

 多妻、多妾の点は満たされすぎた権力者が多かったが、今の日本でコンビニに行って、安い金出して買える口に入るものを手に入れることの出来る、昔の権力者なんていなかったのではと思う。

 ただ、庶民との格差を考えると、そうとうな差があった。(今でもそれは変わらない)


 人に尊敬されるとか異性関係を成就させて家庭を築くと言う点を除いて、自宅警備員やニートでも古代の皇帝様と比べてどれだけ楽な生活をし、美味いものを手にしていることか。本物の性的対象は手に入らないとしても、代替物はある。(ポルノ)

 娯楽はスマホでけっこう満たされるし、寒さや暑さに苦しむことはそんなにないだろう。


 古代ローマ皇帝なんて善政を敷かなかったら、ローマ市民や元老院にぶっ殺されてテヴェレ川に捨てられた。


 それで多くを手に入れたは入れたで、今の人もっと多くの教育を受けなければならなくなるが、それは宿命として諦めるしかない。


 これからはいっそうAIやロボットが人のする労働を担うことになり、人はもっと暇になるだろう。人は暇になると何かしたがる。古代ギリシャでは奴隷に働かせて暇になり、アテネ市民は哲学をやった。

 そんなで我々はもっと考えたりたのしんだりするだろう。そうするとなかにははみ出た考えを持つに至って破壊的行動をする者が現れることは仕方のないことかも知れない。

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短編集 小川初録 @rocketman99

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