眼鏡博士の魔導研究

ぞーすい

第1話 とある魔導博士の持論

 皆は魔法というものを知っているだろうか?

魔法とは魔法陣と呼ばれる『イン』に、全ての生物が持つ『魔力』を流し込み、更にそこに魔術文と呼ばれる文章を詠唱することで使用することができる。

これは生物の『動く』という仕組みと同じだ。

印は素体、魔力はエネルギー、魔術文は指令である。

さて…。

では魔法には何種類のものがあるのか。

その範囲を軽くおさらいしておこう。

まずは五属性魔法と呼ばれるものからだ。

かつてこの世界を五つに分けた神。

炎爆神アジタード。

水妖神アクアマリン。

樹咆神エルヴィングゲージ。

白聖神ウルティマス。

暗黒神アグリーネス。

これらはそれぞれ炎、水、木、光、闇の属性に特化した神である。

それらが生み出した魔法。

それが五属性魔法だ。

全ての魔法の素であり、始祖魔法とも呼ばれている。

それぞれの印も明確に定められているのだが、それは追々説明していくとしよう。

次にこの五属性魔法に対して、我ら人族の先人が生み出した魔法。

それが回復魔法、強化魔法、生活魔法の三つである。

それぞれその名の通りの効果を持っており、強化魔法以外は詠唱が必要ない。

一つ例に挙げるとするならお風呂だ。

お風呂で使う水を温める。

これは生活魔法の役割だ。

事前に魔刻師と呼ばれる人たちが蛇口に水を温める魔法の印を掘る。

そこに人々が魔力を流し込むことでお湯が簡単に生み出されるのだ。

消費魔力も100ℓの水を沸かすのに1〜3消費するだけなので非常に使い勝手がいい。

基本的にはこの五属性魔法と三つの常用魔法を覚えておけば問題はないだろう。

さて、知識をつけたことだ。

早速実践と行こうではないか。

今回は私のオススメのダンジョンを紹介しようと思う。

ちなみに私はパーティーの中では魔導師という立ち位置にある。


「イージス、今日も魔法の練習か?」


そう尋ねてくるのは私のパーティーの前衛、『剣士』のガルガンドだ。


「そうだね、今日は水魔法の実験をしたいからイビルドラゴンあたりと戦いたいかな。」


「了解。なら98階層あたりか?」


そう言うのは同じく前衛、『戦盾』のウロームだ。

私たちはこの3人で『イム』というパーティーを組んでいる。


「今日はダンジョンも比較的人が少ないからありがたいな。」


「よし。98階層に着いたぞ。いつも通り頑張ろうぜ。」


ダンジョン内での行き来は各階層のセーフティエリアにある水晶で行うことができる。

だが、行ったことのある階層しか無理だ。


「あぁ、そうだね。」


皆様にはこれから、私の魔導論を少しだけお見せしよう。

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