見たいユメ製造機

ヤマシタ アキヒロ

見たいユメ製造機

見たい夢が

自由自在に見れたら

どんなにいいだろう

誰もがそう考える


好きな人に好かれる夢

美味しいものに囲まれる夢

世界中を旅する夢

英雄ヒーローに生まれ変わる夢


でも実際に見る夢は

どういうわけか変テコな

支離滅裂なものばかり


走ろうとしても

うまく走れなかったり

高所恐怖症なのに

鉄塔の上に立っていたり


ズボンも履かずに

街中を歩いたり

好きな人に

つれなくされたり


どうしていつも夢は

願望とはちがった

冷汗の出るものが

多いのであろう


察するに

きっと夢というのは

耳の痛いことを言ってくれる

友人みたいなものかもね


そっちに行くと危ないよ

くよくよせずに前へ進め

むずかしいから練習しなきゃ

だれも気にしちゃいないさ……


そして夢から覚めると

意外に頭がスッキリしている

病気が治ったように

晴れ晴れとしている


見たいユメ製造機―――

あったらいいなと

思うけど


それは恐らく「現実」のことであろう

自分の意志で変えられるのは

起きてから見る夢の方だから


一生を掛けて見る夢

そんな夢が

いつか叶うといいな


         (了)

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見たいユメ製造機 ヤマシタ アキヒロ @09063499480

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