誰の?
第13話
コツ……コツ……コツ……
「……」
外である。
屋根はあるが、外である。
そこで、太平な寝息を立てて眠る3人の子供。
通りがかる人。
「ハー……」
3人を見て、デッカい溜め息をつく。
「バカか、コイツらは」
呆れた声と共にスーツの上着が掛けられる。
ナナの上にだけ。
そうして人は、これまた3人を起こすことなく3号棟の上へと上がって行ったのだった。
この時点で時刻は午前5時を過ぎていたー。
「のっ!?」
「ほっ!?」
「へぁっ!?」
3人が起きたのは、もう太陽が上がりきった時刻で。
「「「学校ーーっっっ!!!」」」
完っ全に遅刻だった。
同時に叫び、アタフタと動き出す……が
ナナが立ち上がると掛けられていたスーツの上着がパサッとコンクリートの床に落ちた。
「ん?」
「あ?」
「なんだ?」
落ちたスーツの上着を拾うナナ。
見たことがないスーツ、嗅いだことのない香水の匂い。
「どうした?それ」
「ん?誰かがあたしに掛けてくれてたみたい」
「誰かって誰だ?」
ナナと里哉が首を傾げる。
心当たりが全くないのだ。
スーツを着る3号棟の住人は……。
「もしや……?」
「まさか……?」
「…………」
上を見上げるナナと里哉。
何故か喋らないロク。
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