第53話

って!?



グヮシッ!!



八千はひなちゃんの顔を両手で挟む。




「八千流ちゃん??」



「ひなちゃん……」



「は……はい」




八千の突然の行動に戸惑うひなちゃん。




「オイ、八千流」



「ハイドは黙ってて」



「……」



「弱いな、ハイド」



「うるさいっ」




ケタケタ笑う一華ちゃん。


そんな一華ちゃんに吠えるハイド。



弟よ、弱い犬ほどよく吠えるのよ?




「なんだよ?」



「フッ」




ハイドに構ってる場合じゃなかった。




「ひなちゃん、何この荒れまくった肌はっ?!」



「う”……っ」




ひなちゃんのお肌は、くすみ乾燥しまくっていて、可愛いひなちゃんを実際の年齢より大分上に見せていた。




「今のひなちゃんより、ユッキーの肌の方がウルウルツルツルよ!?若々よ!?」



「う”う”う”……っ」




ひなちゃんの顔が泣きそうに歪む。



グッ……。



八千だって、ひなちゃんを泣かせたいわけじゃない。



けれど、これを言えるのは八千だけだからっ。




「ユッキーが愛してくれているからって、自分磨きを怠ったら、いつか嫌われるのよ!?」



「やーだぁー」



「オイ、八千流。俺はそんなことぐらいじゃ」



「ユッキーも黙ってて」



「……」



「雪代さん……」



「笑うな、一華」




やっぱりケタケタ笑う一華ちゃん。


渋ーーい表情のユッキー。



ユッキーよ、妻に甘々だけじゃダメなのよ?




「やぁーだぁ」




ユッキーに嫌われるのはイヤだともう半泣きのひなちゃん。



可愛い!!



そしてユッキー、表情が弛みすぎよ?




「クマも酷いし、ロクに寝てないんでしょう?」



「……うん。仕事が」



「はい、寝るよー。八千が添い寝してあげるから」



「えっ!?」



「いいよね?ユッキー」



「おう、俺も寝る」



「一華ちゃんとハイドは?」



「寝る」



「そう言われると眠くなってきた……」




昔みたいに。



そうして、八千達は皆でユッキー達の部屋で雑魚寝したのだった。



横になった瞬間、すぐ寝息を立てるひなちゃん。


大分、無理していたんだねぇ。



そんなひなちゃんを見ていたら、ユッキーと目があった。




(ありがとよ)



(ん!)




無理しがちなひなちゃんを止めるのは、八千とハイドの役目。




しかし、ふぅ……。


なんとか誤魔化せた。



昨日のことがバレずにすんで、ひなちゃんのお説教は回避した。



八千、グッジョブね!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る