第40話
「雪代さん?」
一華ちゃんが聞いてくる。
やっぱりバレバレね。
うん、と頷いて電話に出た。
「ユ」
『今何処だ』
名前を呼ぼうとしたらスマホから聞こえてくる美声に遮られる。
今何処だって?
「学校」
今、授業が終わったところだもの。
『まーだ、そんなとこに居んのか』
「そんなとこって」
笑ってしまう。
学生が学校に居るのは当たり前の時間なんだけどね。
『早く来い。顔を見せろ』
「うん、今からは行くよ」
『ハイドと一華は』
「一緒」
『そうか』
嬉しそうな声。
ふふっ。
「じゃあ」
『八千流』
呼ばれる。
「うん?」
『元気がないな。何かあったのか?』
「ユッキー」
八千はそんなにわかりやすいかな?
「……勉強頑張って、お腹空いた」
さすがに、ユッキーには言えない。
桂が恋しいなんて。
言えば、桂の命がないかもしれないから。
でもお腹が空いたのも本当。
『……そうか。お前の大好きなクッキー買ってあるぞ。早く来い、愛し子』
愛し子。
ユッキーはよく、八千とハイドをそう呼ぶ。
優しい優しい声で。
愛されているとわかる声で。
「すぐ行く!!待っててね、ユッキー!!」
『ああ、気をつけて来い』
八千、復活!!
スマホを切って、一華ちゃんの手を引っ張る。
「行こう、一華ちゃん!!」
「はいはい」
家族は八千の元気の源なのっ。
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