第38話

でもそれだと……



あたしは三ツ井を見る。



こんなでも




「こんなでも!?」




三ツ井が目を見開いてこっちを見てくる。



なんだ?




「“黒牙”は大丈夫?」



「一華!!俺の心配を!?」



「アンタじゃない。“黒牙”だ」




チャラ男に見えて、コイツは“黒牙”という暴走族の総長だ。



“黒豹”にとても憧れて。



“黒豹”のような暴走族を、と作られたのが“黒牙”。



走りを重視していて、まぁケンカもするが。




潰される、壊されるほどの悪ではない……




はず。




「はず!?」



「三ツ井うるさい」



「で?」



「あ?」




ハイドが聞く。




「“黒牙”はどうなんだよ?」



「今のところ、大丈夫だ。“黒牙”の周りに“ZERO”の影はない」



「そうか」



「そう」




ハイドと共に頷く。




壊し屋“ZERO”と呼ばれている狐面の少年。



中学生(自称)がそんなことをする理由とはーー?



そして何故……昨日あの場所へ居たのか。



それはもしかして……



















あの“黒豹”のマークと何か関係があるのーー?



考えていると、ハイドと目があった。




「一華が俺の心配をしてくれるなんて……」



(お前も?)



(アンタも?)




なんか三ツ井が言っているけど、あたしはハイドとアイコンタクト中で聞いていない。



うん、と頷いていたら




「フフッ」



「……不気味」



「どうした?」



「一華が俺を」



「違う」



「どうしたんですか?お姉様」




突然、八千流が笑った。



何事かとあたし達はいっせいに八千流を見ると、八千流がスマホを見せてくる。




「さっき、ユッキーに“今日行くね”ってラインしたら」




“今から帰る。すぐ来い”




と、返事が。




本当にあの人は双子が大好きよね。




“今からは無理だよ、学校だもん”



“休め、俺が許す”




雪代さん、どんだけ会いたいのよ。




「行っちゃう?」



「ダメに決まってるだろ」



「ダメに決まってるでしょ」



「えー」



「「ひなちゃんに怒られるよ」」



「……はい」




あたしとハイドの言葉に、八千流は項垂れながら頷いた。




“まだか?”

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